あなたにとってアースガーデンってなんですか?<出演・ステージ制作 AUTO>

イベントearthgardenは、主催団体アースガーデンだけではなく、ボランティアスタッフやたくさんの出店者のみなさん、外部の制作チームとともに作り上げています。

今回は、出演でもステージ制作でも協力してくれているAUTOさんにお話を聞きました。

── AUTOさんにとって、アースガーデンってどういう場所ですか

本当に貴重な場所ですよ。東京のど真ん中で、アーティストや出店者とそれを楽しみにしている人たちが集まって、コミュニケーションがとれる。都心だけど適度に自然があって、音楽を演奏できて。アースガーデンしか会わない友人もいっぱいいるんですよ。

僕は学生の頃から遊びに行っていたのでお客さんとしてもの思い出もあるし、一緒に場を作るスタッフとしても、出演するアーティストとしても、たくさんの思い出がありますし、いい経験になっています。ブッキングもステージの装飾も当日の運営も任せてもらえて。

── 今年は大変な年だったと思いますが、AUTOさんはどんなふうに過ごしていましたか?

2月くらいまで普通の年だったんですよね。でも、3から6月までは、野外の音楽活動はほぼゼロでした。7月から少しずつ戻っていった。幸い、去年から曲のリリース準備を進めていて、映像をつくったり、リリースの準備があって、思いのほか忙しくもありました。

── 音楽活動と、音響設備つきのステージ制作をお仕事にしているAUTOさんにとって、コロナの影響はかなり大きかったですよね。

もちろん大きかったですよ。でも、どんな人にもいつだって、それなりにトラブルが降り掛かってくるもんだと思うんです。今年ほど社会が振れ動いたのは2011年以来だったと思いますが、個人的なトラブルは毎年いろいろあるじゃないですか。病気、事故、大きな失恋。それはもうしょうがない。その時にできることをやるしかない。

2011年には音楽をやることが「不謹慎だ」って社会の目がありましたが、今年はむしろ厳しい状況に置かれ葛藤していることにフォーカスが当たり、音楽業界は大きく被害を受けているという認識も広がっています。今は、できる限りの感染対策をすれば、音楽をやることで批判されることも少ない。「withコロナ」って安易な言葉はあまり好きじゃないですが、どんな立場であっても、パンデミックとどう関わっていくか生活をしながら調整せざるをえないですし。

── とは言え、音楽は「不要不急」なのか、みたいな話もあったじゃないですか。

「どれが不要不急で、どれがそうじゃないのか」なんて、ばっさりと判断できないと思います。僕は銭湯が大好きなのですが、銭湯のおやじさんが「ここは、公共的な入浴施設だから大丈夫」って言っていて「えぇ?」と思いましたけどね(笑)

僕にとっては、本を読むとかお茶を飲むということと同列で、音楽を聴く・奏でるって行為があるし、僕の社会的生活に必要なこと。不要不急かどうかはとても曖昧なもので、あえて表現するならば「社会がそれを許容できるかどうか」って話だと思います。

── AUTOさんはパルコと一緒に「ChillCity」という音楽イベントを企画していますよね。春の開催は断念し、冬の開催を12/12-13に実施。これもいろいろ迷ったと思いますが、どうでしたか。

ちょうど春開催のプレスリリースを出す日に、政府からのイベント自粛要請が出されました。有無を言わさず、春の開催は中止…。でもどうにかやる方法を探したかった。

アースガーデンが主催したライブフォレストとハイライフ八ヶ岳の準備や運営方法、当日のお客さんの様子や反応を参考にできたのは大きかったです。それ以前は、どこまでなら社会が許容してくれるのか、その加減が見えなくて悩みました。ライブフォレストとハイライフ八ヶ岳、他にもいくつかこの夏に開催したフェスがあって、それらをよく見ながら加減を探りました。その加減が見えたのが夏過ぎ。

あとは、その加減をオーバーしないように気をつければいいと考え、判断が迷うことはなかったです。ただし、11月12月の第三波には困りました。直前までオンライン開催だけの可能性も検討していましたし。

── でも、結果的には、お客さんを入れて開催して、正解だったんじゃないですか。とてもいい場になったと思います。

やるやらないじゃなくて、あくまでも、どうすればできるのかを考えたいんです。人と人との関係って、偶然行った場所や時間から生まれるもの。たった一度のたまたまの出会いが、自分にとって圧倒的な変化を与えてくれたりする。連絡先を知らなくても、たどたどしい間柄でも、その出会いが自分の人生を変えていくものだったりする。

自分の周りには、たくさんの人との関係がある。それらは場をつくることをやめてしまったら生まれなかったものばかりです。だから僕は人が集まる場を大事にしたいし、できる可能性があるならその可能性を追求すべきだなって思うんです

── earth garden “冬” 2021にも、ステージ制作やブッキング、出演とさまざまな形で協力してもらって…。本当にありがとうございます。

そうですね。こんなタイミングでもやろうとしているアースガーデンですから、ブッキングもいろいろと考えました。今回は「今、聴くべき音楽」をテーマにしています。2020年も活動を止めなかったアーティストであり、その音楽性も今を代表する最先端。ぜひ楽しみにしていてください。

AUTOさんより各アーティストのおすすめポイントを教えてもらいました!

Road Leef
唾奇や kiki vivi lilyらが所属するクリエイター集団「Pitch Odd Mansion」から「Warbo」、Sweet Williamとのアルバム共作でも話題となった「JIVA Nel MONDO」 らが所属する「 Road Leef 」通称道草。
長野に拠点を置くWarboが各地で出会った才能に声を掛け集まった、極嗜好的集団。

re os | リ・オーエス (REO MATSUMOTO)
Matsumoto ZokuのREO MATSUMOTOのBeatMaker名義
Lofi Beat Festivalに日本人で初参加。ナショナルジオグラフィックの音源を制作するなどビートメーカーとしても世界の注目を集めている。

Tamuraryo(タムラリョウ)
今年リリースしたEP「No Word」がSpotifyで70ヶ国以上で再生されるなど、
世界中で大きな反響を呼んでいるTamuraryo。
12/16にラッパー/クリエイターのなみちえ、 I love you Orchestra Swing Styleと
コラボした楽曲「Cinnamon」 がリリース。合わせてMVも公開された。

MIDORINOMARU
ピアノとドラムのインストバンド、最小限の編成とは全く思えない、その圧倒的な音楽と演奏クオリティーの高さを武器に、日々、全国各地の音楽好きのハートを掴んでいる。

LowCulTokyo
Low Culture × Local Cultureをコンセプトに活動するHiphopアートコレクティブ「LowCulTokyo」 音楽だけにとどまらず、映像やイベント主催、ファッションにフードの展開など、カルチャーを築くものと多角的に関わっている。

Auto&mst
BeatmakerのAutoとギタリストmstによるユニット 波のようなグルーブと空を仰ぐような解放感を電子音と生演奏で表現するChillhop Navigator。TENT SoundSystemとして池袋PARCOでのChillCityのオーガナイズ、GO OUT CAMPの音響を手がけるなどサウンドシステムとしての活動も行っている。


earth garden “冬” 2021