美流渡(みると)に越してきてから、古材を使って何かをつくることが増えてきました。
地方で暮らしていると、まわりには雨風にさらされて、いい味わいを出したポテンシャルしか感じられないものが、今にも捨てられそうな感じで転がっています。
ホームセンターで材料を買うだけではなく、周りで余っているものを工夫してDIYしていくことが増えるのは、必然的なことなのかもしれません。
新品の真っ白な木材よりも、経年変化で味のある木材の方が空間にかっこよく深みを持たせてくれるような気がします。
今回は、いい感じに使い込まれたパレットで、前々から欲しかったソファーテーブルを作ってみようと思います。
テーブルやイスをつくるときに、どのくらいの高さでつくればいいのだろう、と悩む方も少なくないはず。
テーブルとイスの高さで一番大切なのは、差尺(さじゃく)といわれるものです。
差尺とは、イスの座面位置からテーブルの天板の上面の高さのことを言います。
この差尺は、人それぞれ適切な高さがあるんです。
一般の家具はだいたい25〜30センチの間で作られていますが、勉強時やリラックス時でも適切な高さは違い、せっかくDIYでつくるのなら、自分の身長に合わせたサイズで作ることをおすすめします。
勉強など作業効率を重視するとき
座高(身長×0.55) × 1/3
食事や読書などリラックスしたいとき
座高 × 1/3ー(2〜3センチ)
今回は、ソファーテーブルなのでリラックス時のサイズで作っていきましょう。
1、最適なテーブルの高さを計算する。
1)ソファーの座面高さを計る。
座って、少し沈むことも考慮し、座面高さは30センチとします。
2)座高をもとめる
私の身長158センチで計算。
158センチ(身長) × 0.55=86.9センチ(座高)
3)差尺をもとめる
86.9センチ(座高) × 1/3ー(3センチ)=25.966・・・
私の身長での最適な差尺は、26センチということがわかりました。
4)テーブルの高さをもとめる。
ソファーの座面高さ(30センチ)+差尺(26センチ)=高さ(56センチ)
ということで、今回は天板上部の高さが56センチになるようにテーブルを作っていきます。
2、天板つくり
1)パレットをやすりがけ。
特に表部分は念入りに。
やすりは、中目(#240)を使用してます。
2)木部保護材を塗る。
今回は、お手製の蜜蝋ワックスを塗布。
作り方は、次回紹介します。
ワックスをウエス(いらない布)にとって、まんべんなく塗っていきます。
塗ったところは、少し塗れ色に。
こちら(http://www.earth-garden.jp/goodlife/44910/)でも紹介した、ワトコオイルやブライワックスが古材との相性もよくおすすめです。
3、テーブルの脚をつくる。
使っていない折りたたみテーブルの脚を使ってみます。
1)テーブルを解体。
天板から脚などパーツを取り外します。
2)アイアン塗料を塗る。
この塗料、どんな下地も塗るだけでアイアンのような鉄の風合いを出してくれるという優れもの。
よーく混ぜてから、一度塗りは薄めに塗っていきます。
一度塗りが乾いたら、2度塗りです。
少し多めに塗料を取って、ハケでぽんぽんと叩くように塗っていきます。
こうすることで、無骨なアイアンの雰囲気が出てきます。
4、パレットと脚を固定する。
1)固定する位置を決め、片側をネジで固定。
脚を折りたたんだ時に、パレットからはみ出さないように固定すると、折り畳んだ時も綺麗に収納できます。
2)ストッパーをつける。
脚を開いたときに、高さが56センチになる位置を探して、脚がこれ以上開かないようにストッパー(木材)をつける。座卓としても使えるように、ストッパーをもう一つつけ、高さを調節できるようにしてみました。
これにより、高さを変えられ、折り畳むこともできるフレキシブルなテーブルに。
5、完成
座卓時(高さ35センチ)
ソファーテーブル時(高さ56センチ)
裏面は、こんな感じ。
使っていない家具をリメイクしたり、パレットを使うことにより、簡単に家具がつくれてしまうので初心者の方にもおすすめです。
テーブルやイスを作るときは、ぜひ「差尺」を意識してみてくださいね。
さあ、お家の中での小さな革命、はじめませんか?