前編集長が最高峰7000mに登頂!【南米の旅レポート】豊かさは人の笑顔のやりとりと実感!回る地球の裏側にあった、今を生きるヒント

フリーペーパーearth garden前編集長 宮内くんから南米の旅レポートが届きました。元々3月中旬にアップする予定で準備していた記事ですが、震災の発生で掲載が遅れました。日本は大変ですが地球は今日も回っています。しばし別世界への旅をお楽しみ下さい。
ーーー
2011年 南米の旅、笑顔あふれるラテン・カルチャー
4年ぶりの南米大陸の旅で、いろいろと変わっていることが多い。例えば、どんな安宿にもWIFI「無線LAN」の環境が整っている。そして、ノートパソコンを持ち歩いている旅行者が9割といった感じです。しかし、、、

その便利さの裏で、本来最も重要なコミュニケーションというものが、どんどんなくなっている様な気がします。日本人が多く集まる日本人経営の宿で、ガイドブックには乗らない生の現地の情報などを、目の前にいる旅行者に尋ねることは、ほぼ皆無。生の情報を本人から、聞こうとする人は稀です。みなネットで情報収集をしてます。でも、ネットの情報で満足できるのであれば、実際にその国々を旅する意味とは一体、どんな意味があるのでしょうか。

そこで、いまパソコンの前でパチパチと情報検索している皆さん。いちどその手を止めて、ここ3年以上会っていない友人に電話し、食事の約束をしてみてください。きっと、そこから始まる新たなコミュニケーションが生まれるはずです。そんなことを自信を持っておつたえできるのも、このたびの成果だと思います。

なぜ、南米レポートなのにこのような説教くさいことを書くのかといえば、南米を旅行して、しみじみ感じるのはコミュニケーションの大切さや楽しさを日々、感じているからです。街ですれ違う人と目が会えば「オラ!」と挨拶を交わし、食堂で隣の人が「ブエンプロベッチョ」(仏語のボナペティ同様の意味)と当たり前のように、言葉を交わすのです。こういう文化圏にいると、友情や愛情、感謝の気持ちなど、日々の生活を豊かにしてくれるものの多くは、目には見えないものなんだなぁしみじみと感じてしまいます。

さて、今回の旅で実際にどんなことをしているのか、簡単ではありますが紹介します。

南アメリカ大陸最高峰アコンカグアに挑戦!
山で逝った友の13回忌をしのぶため、今の自分で登山可能な標高6962Mのアコンカグアに登ってきました。2月15日に無事に登頂しました。5000m以上の高所は、さすがに人が生きる環境ではないことを実感させられました。特に6000mをこえると、普通に歩くことが全力疾走しているように感じるほど、呼吸が困難になります。思考は、下山することのみを願うようになり、心身ともに非常に苦しい闘いです。そして、その困難を愛せたものだけが頂を踏むことを許されます。

私設の自然公園パルケ・プマリンを行く!
人気アウトドアブランドの創設者が自費でつくった自然公園がパルケ・プマリンです。アースガーデンのフリーペーパー冬号でも紹介した映画『180°SOUTH』の後半の舞台にもなっています。内政干渉だとかネガティブなイメージを持つ現地の人々もいるようですが、チリ側のパタゴニアの自然を知り、保護する意味では非常に重要な役割を果たしていることは間違いないと、自分は思いました。樹齢3000年をこえる巨木「ALERCE」などは、特にその象徴的な役割を果たしています。雄大なフィヨルドの美しい森の中を走るアウストラル街道には、神秘的な湖や滝がたくさん存在しています。それらは、都会では決して感じることの出来ない悠久のときの流れを感じさせてくれます。

パタゴニアの野生動物に感動!
乾燥地帯と猛烈な風でしられるアルゼンチン側のパタゴニア。人間にとって過酷な自然環境もここ南米に生息する野生動物にとっては、最後のサンクチュアリとなっています。クジラやシャチ、ミナミゾウアザラシやオタリア、ペンギンなど、多くの野生動物が、このパタゴニアの大地で懸命に子育てに励むのです。なかでもユネスコ自然遺産に指定されているバルデス半島から南に約100㎞ほどに位置するプンタ・トンボでは、数万羽のマゼランペンギンのコロニーを見学することができます。そこはあるイタリア系の移民の農場内で、毎年多くのペンギンが子育てに訪れることに興味を持ったオーナーが、政府にペンギンの生態調査をお願いしたことが、自然保護区となったきっかけです。そして、調査で判明したのが、毎年同じペンギンが同じペアで同じ巣穴で子育てをすることが判明しました。野生動物とは、やはり凄い能力を秘めているなぁと改めて関心しました。

今回の南米旅行もあと一週間ほどとなりました。家族や友人との時間の共有を大切にするラテンアメリカの暮らしを、堪能して帰国したいと思います。

※ 注 ※
この記事は、元々3月中旬にアップする予定で準備していましたが、震災の発生とアースガーデンwebでのその対応により掲載が遅れました。この間、宮内くんは3月17日に無事帰国、日本での活動を始めています。

この旅と、彼の日々のことはブログでhttp://aroundtheclock.no-blog.jp/