尾道の小さなお店とその名物オジさん元に集う、蒼々たるバンド&アーティスト達の姿と共に、誰もの胸にある世の中にタネ蒔く想いを描いた映画。この映画の魅力を、上映前のライブでも登場するバンド「オーサカ=モノレール」を代表して、リー ダー中田亮さんに、語ってもらいました!ライブ&映画上映、ともに必見です!!
ものすごく人見知りで、不器用で、恥ずかしがり屋の人 「ヘンなオジサン」が「尾道の英雄」に格上げになればいい
今回の野外無料上映は、本当に楽しみにしています。たくさんの人に観てもらう貴重な機会だと思います。音楽と合わせてですね、素晴らしいですね。
映画そのものの広がりにも、これからも大いに期待をしています。まず、信恵さんという人はとても変わった人でね・・・。ものすごく人見知りで、不器用で、恥ずかしがり屋の人で。まったく商売人タイプでもないですしね。しかしですね、僕なんかの立場からすると、まあ、やっぱり恩人です。15年ほど前、大阪以外のところでライブ をすることはほとんど無かった頃に、広島の尾道なんていう、名前しか知らない土地に呼んでくださった。そしてそのあと何度もね。まだ名前が知られていないアーティストを見つけてくるんです、信恵さんは。どこから情報を仕入れているのか、いまだに謎なんですけど(笑)。
だから、たくさんのインディーアーティストがお世話になっていてですね、みんなの恩人なんですね 。それから、尾道に住む人達にとっても、同様に、恩人という言葉がふさわしいと思います。「この人が居るから、たくさんの面白い音楽が尾道で聴ける」ということですね。加えて、映画の中でも描かれるように東日本大震災からの避難や保養のお世話をされたりと、信恵さんは多くの人にとっての恩人となってはるだろうと思います。
実は「英雄」であるというのは、なかなか見抜けない。 そんなヒーローに(中略)実際なってみる勇気はありますか?
映画が知れ渡るところになって、「ヘンなオジサン」が「尾道の英雄」に格上げになればいいなと思っています(笑)。でも、それだけじゃなくてですね、もうちょっと大事なことがあってですね、それは、こうして映画で大きく取り上げられると、「スゴい人が尾道に居る」というようなことに思われるかも知れない。でも、僕の理解ではそれは少し違うんですよね。「れいこう堂」っていうのはあくまでマイナーな存在でね。そんな大袈裟な感じでもないんじゃないかなと思います。だから「ローカルヒーロー」というよりは、本当に「スーパーローカルヒーロー」なんですよね(笑)そこが大事でね。
それがこの映画の一番いいところだと思うんですよね。「ヘンなオジサン」が実は「英雄」であるというのは、なかなか見抜けない。まあ、こういう俗な世界に住んでいると、おカネとか、ファッションとか、なにか雄弁な人物とか・・・そういったものに惑わされがちです。 あなたの廻りに、信恵さんみたいなオジサンが居たとして、というか、たぶん案外、結構いると思われるんですけれども、あなたは、その人とどう付き合いますか?…というテーマですね。 もしくは、あなただって、そんなヒーローになるのは大して難しくなさそうですが、実際なってみる勇気はありますか?…そんな感じだと思っています。
多くの人の想いを乗せて、噛めば噛むほど味が出るコンブみたいに、ひろがっていく映画
僕は撮影してもらっただけで、映画の上映には直接かかわっていませんが、僕が知らないあいだに、すごく広がっているようだなあ、というのが実感です。
先日も、15年ほど前に、とある仕事でお世話になった方と、久しぶりにお話をしたら、なんと、いまは市民運動に力をいれてらっしゃって、どちらかというと脱原発活動の文脈で『スーパーローカルヒーロー』の上映会を計画中で、「中田が登場していてビックリしたよ」ということでした。
それから、映画のプレミア上映のときに、尾道に行きました。あのときには、れいこう堂の歴代スタッフの同窓会みたいになっていて、楽しい空気にあふれていました。尾道のたくさんのみなさんが、映画のひろがりに大きな期待を寄せていることを感じました。そういった、多くの人の想いを乗せている映画ですから、まだまだ、噛めば噛むほど味が出るコンブみたいに、ひろがっていく映画だと思います。
8/12渋谷ハチ公前「WORLD PEACE FESTIVAL」アーティストが声をだしていけるきっかけをつくるのが重要だった
フェスティバル発表ではのべ3000人の参加者でした。そのあとメディアでも紹介されましたし、Youtubeなどでも観れますから、とても大きな意義があったんじゃないかと思っています。これは、沖野修也さん達とつくりました。
雨も心配されましたが、晴れ上がって、人もいっぱいでね。着替える場所が無いから、観ている人波のなかでパンツになって着替えたんですよ。人がたくさん居たから、たぶん誰も気づかなかったと思います(笑)。
安保法制について、ミュージシャンからも反対の声をあげていこう、というのが大きなテーマでした。反対の立場を明確にしているミュージシャンやアーティストは、まだまだ少ないと思います。日本は、アーティストが政治的な議題について明確な発言をすること少ないですよね? こういう雰囲気を変えていく必要がある。もし可能なら、音楽家は、本当は、そういったことを先取りしていく存在でありたい。
そういうわけで、ヘンなことを言うようですが、この駅前フェスティバルについては、メッセージがどのように伝わったかということも大事ですが、むしろ、アーティストが声をだしていけるきっかけをつくる、という事のほうが重要テーマだったんですよ。すくなくとも僕個人としては。
そういう意味でも、とても手応えを感じました。ゴリゴリのアンチ安倍政権メッセージだけの催しではなく、小さな音楽フェスティバルとしての一つのスタイルを、うまく沖野さんが提示してくれたと思っています。
オーサカ=モノレール LIVE
earth garden “秋” 2015 10/24 16:45から
映画「スーパーローカルヒーロー」無料上映会
earth garden “秋” 2015 10/24 17:45から
http://www.earth-garden.jp/event/eg-2015-autumn/
映画「スーパーローカルヒーロー」
出演:EGO-WRAPPIN’/二階堂和美/モアリズム/オーサカ=モノレール/畠山美由紀/アン・サリー/小池龍平/ハンバート ハンバート/Chocolat & Akito/高鈴 など
音楽:青柳拓次
監督・撮影・編集:田中トシノリ
製作・宣伝・配給:映画「れいこう堂」製作委員会
2014|91分|FHD|16:9|カラー|日本
出演する蒼々たるアーティストへのインタビューとそのライブ映像と、彼らとつながって地域を駆け回る瀬戸内 尾道「れいこう堂」の名物店主「信恵勝彦さん」の姿が、誰もの中にある「スーパーローカルヒーロー」の可能性を映し出していきます。風がわりなCD店のような、オーガニック・セレクト・ショップのような「れいこう堂」と信恵さんが育ててきた音楽文化、地域のイベント(もうまるで、ほとんどフェス)、人の輪。311震災をきっかけに広がる人のご縁までが濃密に語られる素敵な映画なのです。
http://superlocalhero.com/
http://www.osakamonaurail.com