Book「持続可能な社会をめざす8人のライフスタイル」を著者の名倉幸次郎くんが自ら紹介

夏のある日、アースガーデン・オフィスに届いた、新しい時代のライフスタイルをめぐる秀作ルポルタージュを、ドイツでプロハンドボール選手だったという異色の経歴の著書:名倉幸次郎くん自身に紹介してもらいました!!

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走って、走って走る・・・・。僕たちは、いったいどこへ向かって走っているのだろうか?

僕たちは、立ち止まったら追い越され、おいてかれてしまう不安や、上を目指し走り続けることへの疲れを感じながらも走っている。この道の先がどこへ繋がるかを考えずに一心不乱に走っている。そして、その行き着く先が一○○年に一度の不況、貧困、自殺、地球温暖化、自然破壊、戦争という問題だらけの「持続不可能」とも言われている社会だ。

そんな社会の中で、僕たちの暮らしは物に溢れ、忙しさに追われ、大切なものがどこにあるのか、何が大切なのかさえ見失いがちだ。その暮らしとは、本当に大切なものを見落として、行き先も分からぬまま「ただただ走り続けている」と言っても良いのかもしれない。
僕はそんな、何だか不自然すぎる社会、不自然すぎる自分自身に対して嫌気がさした。
嫌気が爆発した僕は、抑えきれない心の叫び声に背中を押され、パートナーと共に旅に出た。僕たちの理想とする生き方、僕たちのあり方を求めて旅に出た!

そして、その旅で出会ったんだ!!問題だらけで夢も希望も持ちにくい、この社会の現状の中でも、自分にできることを一つ一つ行動に移すことで「持続可能な社会」をつくろうとする大人たちに。夢を語り、希望や可能性を語るカッコイイ大人たちに。それが、本書で紹介する8人のカッコイイ大人たちだ。

林良樹 「持続可能な地球をつくる」
きくちゆみ 「あなた自身がメディアになるの」
設楽清和 「人は森へ還るよ」
塩見直紀 「『半農半X』でレボリューション」
正木高志 「新しい時代になっていく」
菊川慶子 「豊かな自然を未来に残したい」
大下充億 「生きたい生き方をカタチにしていく」
てんつくマン 「動けば変わる」

この8人は、半農的な暮らしを送りながら、ある人は地域通貨を発行し、またある人は平和活動、パーマカルチャー、植林、反核活動など自分にできる足元のことから「持続可能な社

会」をめざし行動を起こしている。
僕は、彼らとの出会いを通して沢山の気づきや学びをもらうことができた。それは、今まで「当たり前」だと思っていた自分の暮らしが多くの犠牲の上に成り立っているということであり、「本当の豊かさ」とは何かということだった。木々をなぎ倒し、放射能を撒き散らし、自然をぶっ壊す今の僕の暮らし。発展途上国の犠牲の上に成り立つ今の僕の暮らし。アメリカの言いなりであり、戦争支援をしている今の僕の暮らし・・・・。

すべてにおいて傍観者でしかなかった自分自身。しかし彼らは、傍観者ではない。「豊か」という言葉がピッタリな暮らしを営みながら、ワクワクする心の声に従って行動に移し、「ほんの少しでも・・・」との思いで社会を変化させようとする人々だ。
「動けば変わる」「楽しいってことが大切なの」「人は森へ還るよ」「新しい時代になっていく」こうした彼らの言葉、そして生き方は人の心に火を灯しはじめている。そして、心に火が灯った人々がつながることによって、社会を変える大きな波が起きようとしている。
変わり行く社会の中で、「持続可能な社会」を目指し走る大人たちがいる。彼らの生き方、暮らし方は、混迷した現代社会に一筋の光を照らすだろう。本書は、20代の僕からアナタへ送る、胸一杯の思いを書き綴った「新しいライフスタイル」の提案だ。

名倉幸次郎

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「持続可能な社会をめざす 8人のライフスタイル」
名倉 幸次郎 著 白水社 刊

税込価格 1680円 (本体価格1600円)
ISBN 978-4-560-08069-6