胃にやさしいぽかぽかごはん。1月は「ほうれん草のリゾット」【Banana Kitchen 最終号】

気がつけば2016年。月日が経つのは本当に早いものですね。今回で丸一年が経ったBanana Kitchenも、今月が最終号となりました。

作ってみた、というお声や、細かなポイントが参考になる、というコメントをいただく度に、本当に嬉しく、おおきな励みとなっておりました。この連載を通して、私自身も野菜としっかりと向き合うことができ、勉強になることばかりでした。これまでBanana Kitchenを読んでくださったみなさまに、心より感謝いたします。

さて、そんな最終号でご紹介するお野菜は、ほうれん草。ほうれん草をリゾットにして、お正月後の疲れた胃にもやさしいごはんに仕上げました。

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通年出回っているほうれん草の本来の旬は、冬。この時期は色も濃く、寒さで栄養分も甘味も増します。食物繊維が胃腸を整え、便通をよくすることから、ヨーロッパでは“胃腸のほうき”と言われています。

今回ご紹介するレシピでは、にんにく、たまねぎも入ったほうれん草のピュレを使って、色鮮やかに仕上げています。材料は、にんにく、たまねぎ、ほうれん草とチーズとシンプルに、お水で炊けば、野菜のうまみが凝縮されたおいしいリゾットが作れます。ほうれん草の代わりに小松菜を使っても大丈夫。リゾットは簡単で手早く、ワンポットでできて洗い物も少なく済むので、忙しい夜にもオススメです。

ほうれん草のリゾット

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材料(2人分+翌朝のちょっとお楽しみ分も)

■ほうれん草のピュレ
にんにく 1かけ
たまねぎ 半個(約100g)
ほうれん草 3束(約230g)

■リゾット
オリーブオイル 大さじ1
にんにく 1かけ
玉ねぎ 1/4個
お米(生を洗わずに) 1合
水 800cc〜1000cc前後
ほうれん草のピュレ 大さじ6
パルミジャーノレッジャーノ 50g
天然塩 適宜
ブラックペッパー 適宜

作り方

【ピュレを作る】

1) にんにく、玉ねぎは皮をむき、薄切りにしておく。ほうれん草をよく洗い、根の部分を切り落とし、茎部分と葉っぱの部分を二等分にする。(軽く水切りし、水気は拭きとらない。)

2) 蓋のしっかり閉まる鍋に、にんにく、たまねぎを入れ、塩少々をまんべんなくふりかけ、水を少量回しかけて、中火にかける。沸騰したら蓋をして弱火にし、たまねぎがしっかりと甘みが出て、しんなりするまで2〜3分火にかける。

3) 2)の鍋にほうれん草の茎の部分を入れ、塩少々をまんべんなくふりかけ、水を大さじ2程度回しかけ、沸騰したら蓋をして弱火にし、1分火にかける。続いて、ほうれん草の葉の部分を投入し、塩少々をまんべんなくふりかけて蓋をし、30秒〜1分ほどさっと火にかける。取り出し、冷水でしめ、水気を軽く絞り、ハンドミキサーなどにかけて、ピュレ状にする(ミキサーが回りにくければ、水を少しずつ足す)。

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【リゾットを作る】

1) にんにく、玉ねぎをみじん切りにし、パルミジャーノはすりおろしておく。

2) 鍋にオリーブオイルとにんにくを入れ、弱火にかけ、香りが立ったら、玉ねぎと塩少々を入れ、中火で透き通るまで炒める。

3) 2)の鍋に生のお米を加え、中火でお米が薄く透き通るまで1分ほど炒める。

4) お湯をお米がかぶるくらいまで注ぎ、かき混ぜる。水がなくなってきたら、再度お米がかぶるくらいまでお湯を足し、時々鍋底を返すように混ぜながらお米が好みの硬さになるまで繰り返す(15〜20分が目安)。ほうれん草のピュレを加え、混ぜる。

5) 火を止め、パルミジャーノレッジャーノを加え、軽く混ぜる。味をみて、塩、ブラックペッパーを加える。(チーズの塩味があるので、塩は後で入れ調整します。)

6) 器に盛りつけ、好みですりおろしたパルミジャーノレッジャーノ、挽いたブラックペッパーを振り、オリーブオイルを回しかけたら完成。

* あれば、香り付けに白ワインを入れてみてください。3)で米が透き通ったら、白ワイン50ccを入れ、火を強め、水分がなくなるまで煮詰めます。(煮詰めることで、ワインのうまみと酸味が引き出されます。)

* 適度に芯が残ったアルデンテの食感がおすすめです。お子様用にはしっかりと火を通しても。 チーズ、塩、ブラックペッパーを加えなければ、離乳食にも早変わり!

* 日本米で作る場合はでんぷん質が出てしまうため、火を入れている時は混ぜすぎないことがポイント。鍋底を返すようにして混ぜてください。

* ほうれん草のピュレは火を通しすぎると黒ずんでしまうため、さっと火を通してください。

* 好みに応じてほうれん草のピュレを追加してください。

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ここでもう一品。“焼きリゾット”はご存知でしょうか?私が焼きリゾットに出会ったのは、7年前のイタリアの北部にあるちいさな田舎町でした。友人のニコルが、余ったリゾットを翌日子どもたちに焼いていたのを見て、リゾットは焼いてもいいんだ、と驚いたことをよく覚えています。
それ以来、私も翌朝には、余ったリゾットを“焼きリゾット”にするのが定番となりました。作ったリゾットをそのまま焼いただけでは形がくずれてしまうので、ここでは作りやすくアレンジした方法をご紹介いたします。

焼きリゾットの作り方

器にラップを敷き、余ったリゾットをぎゅぎゅっと押し寿司の要領で押し固め、冷蔵庫で保管します。それを中までしっかり火が入るようにオリーブオイルで中〜強火で焼くだけ。中にチーズをしのばせ、カットしたらチーズがとろり、なんてのもたまりません。

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さらにさらに、このほうれん草のピュレは本当に万能選手。これさえあれば、ポタージュに、ドレッシングに、ピザのソースにと早変わり。10月にご紹介していた「蕎麦粉のガレット」の生地にも練り込んでいます(http://www.earth-garden.jp/goodlife/45154/)。冷蔵庫で保管すれば2〜3日は持つ常備菜として大活躍(ただし時間が経過するほど鮮やかな緑色がなくなっていきます)。ぜひアレンジしてみてくださいね。

お好みのミルク(豆乳、牛乳など)で伸ばしてポタージュに。
お好みのミルク(豆乳、牛乳など)で伸ばしてポタージュに。
お好みのビネガーあるいはレモン果汁、オリーブオイル、塩と混ぜればほうれん草のドレッシングに。
お好みのビネガーあるいはレモン果汁、オリーブオイル、塩と混ぜればほうれん草のドレッシングに。

ほうれん草のおいしさがぎゅぎゅっと凝縮された、ほうれん草のリゾット。あつあつで、優しい味わいのリゾットをほおばれば、体も心も温まります。

今日もいのちに感謝して。
いただきます。

[Banana Kitchen] 連載記事

胃にやさしいぽかぽかごはん。1月は「ほうれん草のリゾット」【最終号】
http://www.earth-garden.jp/goodlife/48053/

12月はクリスマスを愉しむ「たっぷりネギとたまねぎのタルト」
http://www.earth-garden.jp/goodlife/47633/

初冬の週末の朝に。11月は「焦がし林檎とかぼちゃのポタージュ」
http://www.earth-garden.jp/goodlife/46817/

10月は、秋の夜長に似合うおつまみ「ゴルゴンゾーラのさつまいももち」
http://www.earth-garden.jp/goodlife/45972/

9月は 「蕎麦粉のガレット」
http://www.earth-garden.jp/goodlife/45154/

8月は「ローストトマトと桃の冷製スープ」
http://www.earth-garden.jp/goodlife/44570/

7月は「たっぷり夏野菜のマリネ」
http://www.earth-garden.jp/goodlife/44189/

6月は「アボカドのディップ(グアカモレ)」
http://www.earth-garden.jp/goodlife/43003/

5月は「ひよこ豆のディップ(フムス)」
http://www.earth-garden.jp/goodlife/42556/

4月は「ローズマリーとガーリックのかりかりベビーポテト」
http://www.earth-garden.jp/goodlife/41975/

3月は「春アスパラとキヌアのホットサラダ」
http://www.earth-garden.jp/goodlife/41353/

2月は「にんじんとオレンジのジンジャースープ」
http://www.earth-garden.jp/goodlife/40621/


From LONDON オーガニックなレシピとライフスタイル「Banana Kitchen」
毎月10日更新
http://www.earth-garden.jp/feature/banana-kitchen/