【eijiのAnywhere,LIFE is FESTIVAL】保養×地域おこし「RAINBOW CHILD 2020」

このコラムは『FESTIVALの楽しさ』をなるべく多くの人に伝える事を目的に、Dachamboのメンバーとして日本中を駆け回った経験の中からTVには映らない地方の小FESなど『変わったFESTIVAL』にスポットをあて紹介して行きます。

第3回目は、岐阜県八百津町『RAINBOW CHILD 2020』を紹介します。名古屋市内から車で1時間程度、大自然に囲まれ、すぐ側に木曽川が流れマリンスポーツも体験出来る。家族で遊びに行きたいそんなFESTIVALです。

『RAINBOW CHILD 2020』を主催し、名古屋市内でBAR『アーバンカーボーイ』を経営する西田優太さんに話をお聞きしました。

主催者の西田さん
主催者の西田さん

EIJI さっそくですが、普段は自身の経営するバーで、バーテンダーをする西田さんがなぜFESTIVALを始めようと思ったのですか?

西田 元々は『RAINBOW2000』のオーガナイザーの越智さんに出会って、いろいろな話を聞いたことがきっかけです。

EIJI 伝説のオーガナイザー『越智純 ※1』さんですね。それでタイトルに『RAINBOW』が入っているのですね。

※1 越智 純
FUJI ROCK FESTIVALに先駆けた前年1996年8月10日に日本ランドで開催された『RAINBOW 2000』のオーガナイザー。『Underworld』『石野卓球』『ケンイシイ』『AUDIO ACTIVE』『細野晴臣』『ミックスマスター・モリス』などなど『踊る』をメインテーマに『DANCE FESTIVAL』を開催し18000人を集めた。運営に関わった多くのスタッフが、その後のFESTIVALカルチャーの中心になり活躍している。

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西田 『RAINBOW2000』の時に『ノストラダムスの大予言』や『2000年問題』など社会的に不安な要素が多くあったけど、あえて、『踊り続けよう』とコンセプトを掲げたと聞きました。私は、次の時代の節目は『2020年』にやってくると考えていて。東北の震災があって、2020年が来て、また新しい時代が始まる。だから、まずは2020年まではやるつもりです。その後どうなるかは、その時の状況次第ですが。まずは今年を成功させなくては。

EIJI ホームページには、コンセプトに『保養を文化に』とありますよね?

西田 震災後、陸前高田や石巻でボランティアをしていました。その後福島の子供たちを八百津町に招いて保養という活動を続けています。

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EIJI 保養とはなんでしょう?

西田 2012年より『海旅Camp』の名前で保養活動を行っています。保養とは放射能量の高い地域から低い地域に一定期間移って生活することで、放射能被爆による健康被害を低く抑えられる事がわかっています。実際、チョルノブイリの事故以降にベラルーシ、ウクライナで行われています。『海旅Camp』に参加した小学生の作文があるので読んでいただければ内容などは伝わると思います。

>>作文はこちら

今年で5年目となりまして、始めは募金をお願いして活動していましたが、誰かの負担ではなくFESで楽しんでもらった収益で、こういったボランティア活動を行えればと思いこのFESTIVALを立ち上げました。

EIJI 開催の目的は保養の資金捻出だったんですね。

西田 そうですね。年々、人々の関心も薄れていく中ですから、保養の運営が厳しくなっています。そこでFESTIVALの収益なら誰も苦しまずに良い形で持続できるのではと思っています。今後も続けていきたいですね。

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EIJI 規模が年々大きくなることにも伴い、今は地元行政にも応援してもらってるんですよね?

西田 八百津町の行政から声がかかり、2年目の昨年から協力してもらうようになりました。

EIJI どのような形での協力ですか?

西田 総務省が推進する『定住自立圏構想』がありまして、簡単に言うと、美濃加茂市を中心に市町村が関わって『町おこし事業』を行っています。どこの田舎でも今後過疎については大きな問題になるでしょう。イベントで多くの人に足を運んでもらって、地域のアピールします。イベント会場周辺の市町村には若者のUターンや定住を支援してもらう。

また、イベントに対する助成金や運営サポートなどで、地元の自治体に協力してもらっています。

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EIJI 現場の運営スタッフはボランティア中心ですか?

西田 ボランティア中心です。東北震災の時のボランティアチームがそのまま中心になっているんですよ。

EIJI イベントをやってわかった事やイベントをやろうとしている若い人にアドバイスがあれば

西田
 続けることが一番大事。苦労話などは本が書けるほどありますが、やっていてよかったなぁと思うのは、『人に出会う』ことができること。そしてなにより、やっていて楽しいです。

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EIJI その苦労話、一つだけ、聞きたいのですが。

西田 うーん、一番大変だったのは、、、出演者へのギャラを現場で落としました(笑)

EIJI え~!?大丈夫だったんですか?

西田 なんとか乗り切りました(笑)

EIJI 今年は気をつけて下さいよ(笑) では最後に今年の見所を教えてください。

西田 出演アーティストのLIVEもそうですが、会場の横に木曽川が流れていてマリンスポーツの無料体験が出来ます。真夏のイベントですが、家族連れで楽しく涼しく過ごせるのでぜひ遊びにきてください。

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EIJI 楽しそうですね〜!バナナボート乗りたいです。

名古屋周辺では近年FESTIVALやイベントラッシュですが、チケット代も手頃で家族で楽しめるFESTIVAL『RAINBOW CHILD 2020』に、ぜひ遊びに行きましょう!

RAINBOW CHILD 2020

日程:2016年8月11日(木)山の日祝日
時間:OPEN 9:00 ~ CLOSE 21:00
場所:八百津町 蘇水公園(岐阜県加茂郡八百津町伊岐津志2731-5)
料金:早割チケット ¥3000 / 当日チケット ¥4500 / 駐車場券 ¥1500
※小学生以下の入場無料、ただし保護者同伴に限る。
※チケットを購入した時点で公式HP記載の注意事項に同意したものとみなします。

出演アーティスト

Rickie-G
Dachambo
NABOWA
Sugar Soul
DELI
TOMI-E
児玉奈央&Magical Echo Land
ending note
SARATOGA
SAIRU
Makoto Okazaki
かむあそうトライブス
平凡【Hey!Bon】
宙sola
HANOI BON’Dz
Artrandom
mountain mouse
オカリナマコト
力久博之&西井睦(FUIC)
工藤真工
横川圭希
DJ Kachiwari
DJ exapieco
DJ NAN
Dynamite with Stamina-D Sound System
and more!!

ワークショップ

マリンスポーツ体験、(キッズボート、バナナボート、水上デモンストレーション有り!)
アートワークショップ(ASIAN CAN CONTROLERZ(ACC)によるアートワークショップ開催!)
スケートボードランページ体験(プロスケーターのデモンストレーション有り!)」

主催
RAINBOW CHILD 2020 実行委員会

共催
八百津町

後援
八百津町観光協会 八百津町B&G海洋センター 美濃加茂市

協力
公益財団法人マリンスポーツ財団

とうしん地域振興協力基金

eiji

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日本を代表するJAMBAND『DACHAMBO(ダチャンボ)』のベーシストとして7枚のALBUM、2つのDVD作品をリリース!!2004年からFUJI ROCK FESTIVAL、RISING SUN ROCK FESTIVAL、SUMMER SONICに代表される全国数々のロックフェスに出演。ペインティングユニット『gravityfree』×シューズブランド『KEEN』とのコラボマイクロBUSに乗り毎年全国ツアーを行っている。アメリカ、オーストラリア(4度)とツアーを成功させ近年では海外FESTIVALからのオファーを受けるようになる。

イベント制作者としては、2011年のバンド主催『D.I.Y』イベント『HERBESTA’11』で制作、運営、出演の3役をこなし、1万人以上を集め大成功をおさめ、その後、制作の依頼も多く現在は『富山ホットフィールド』などの制作にも携わっている。

2012年からはシンガーソングライターとしての活動を始め3枚のALBUMを発表し、FUJI ROCK FESTIVAL’14、RISING SUN ROCK FESTIVAL 2013 in EZO、中津川THE SOLAR BUDOKAN 2014に出演を果たしている。

official HP:http://dachambo.com/eiji/

保養とは何か

6年1組 なつき

はじめに

ぼくはこの夏東北と関東の子どもと大人が岐阜の山村に行く「海旅CAMP2015」に参加した。このキャンプは「保養」の目的もあるという。初めて聞く言葉だった。「保養」と何なのか調べてみることにした。

1.チェルノブイリ後の保養

ぼくは保養について調べるにあたり、1986年4月に発生したチェルノブイリ原発事故後、保養に力をいれているウクライナに目を向けることにした。

チェルノブイリ原発事故から28年目のウクライナについて、白石草(はじめ)さんが現地に取材し、本にまとめた『ルポ チェルノブイリ28年目の子どもたち』(岩波ブックレット)を資料にすることにした。ウクライナでは、年間の放射線被ばく量による地域区分が定められている。事故発生現場30キロメートル圏内の第1ゾーン、年間5ミリシーベルト以上の地域を第2ゾーンに指定し、住民をすべて移住させた(ミリシーベルトは放射線の人体や生物に対する線量当量の単位)。次に、年間1ミリシーベルト以上の地域は希望すれば移住できる第3ゾーン。年間0.5ミリシーベルト以上の地域は妊婦や子どものいる世帯は移住できる第4ゾーンと定められている。ウクライナの汚染地域で居住できるのは第3、第4ゾーンとなる。この第3、第4ゾーンには住民への支援策がなされており、その一つが保養だ。作者の白石さんは保養についてこう述べている。「チェルノブイリ原発事故で被災した人を対象に3週間から1ヶ月程度、汚染のない地域に滞在させて治療などを行う」ことがチェルノブイリでの保養プログラムである。

2.ウクライナの保養の特徴

では、保養とは具体的にどのようなものなのだろう。白石さんの本とあわせ、白石さんの本の映像版『チェルノブイリ28年目の子どもたち』も調べると3つのことがわかった。

第1は、保養に参加する子どもが多いということだ。ウクライナの保養に参加している人数は2013年の実績で235万人もいた。

第2は、国が保養に対してたくさんの費用を出していることだ。ウクライナの保養には2種類ある。1つは、「元気な子ども」を対象とした保養。これは、保護者が費用の25パーセントを負担するが、もう一方のチェルノブイリ事故による影響で病気や障害を抱えている子どもたちの保養。これは完全に無料になる。事故の影響を受けた人に対する予算総額は、約40億円、そのうち16億円が子どもにまわされるがそれでさえ保養が必要とされる子どもの3分の1しかカバーできていない。ウクライナでさえ出来ていないのかと思うと、保養も一筋縄ではいかないと思った。

第3は、巨大な保養施設があるということだ。キエフ(ウクライナの首都)から夜行列車で9時間、港町にあるのが大規模保養所モロダ・グヴァルディア。海に面した広大な敷地にある。プライベートビーチや大きなホールもすべて子どものためのもの。ここは2006年に民間施設から国有化されたものだ。現在4つの宿泊棟があり、それぞれ200人ずつ800人を一度に収容できる。1回の滞在日数は21日間、年間13クール行うため、年間最大1万1000人を受け入れられる。こんな大規模な保養ができてしまうとは驚きだった。

3.日本の保養の具体事例

ぼくはこの夏実際に「海旅CAMP2015」という保養に行った。この保養で大切なことが3つあった。

第1は子どもの出身地がわからなかったことだ。一瞬意味がわからないかもしれないがこの保養には2つの地域から来る子どもたちがいる。ひとつは東北、主にいわき市から。もうひとつが関東だった。ぼくは行く前、いわきの子とどのように接すればいいかわからなかったが、行ってみると正直いってだれがどこから来たかなんてまったくわからなかった。みんな同じように楽しく7泊8日遊べた。

第2は「海旅CAMP2015」が自由だったことだ。「海旅CAMP2015」にはプランがあったが、宿泊先の移動やバーベキュー、流しそうめんをやる等の最低限しかなく、フリーの日もあるほどだ。どこで遊んでも自由。遊ばなくても自由。唯一決まっているのは、昼と夜食事を皆ですることぐらいだった。この自由な空間が保養の目的をはたすために大いに役立っていたと思う。

第3はスタッフだ。この「海旅CAMP2015」にはスタッフがいる。ほとんどがボランティアで代表者もいる。スタッフの人は、1年間身体に良い養生料理をがんばって学んだり、市やいろいろな施設と交渉相談しイベントを考えてくれたり、スタッフ自身が自由にし、自由のある楽しい保養にしてくれた。この保養のスローガン「大人も子どもになる保養」の通りになっていたんだと思った。

おわりに

1~3を書いてみて前より保養についてわかった。ウクライナでは放射能による障害や病気がたくさん出ている。キエフ市内の学校では100パーセント元気な子はもういないという。日本はウクライナでは立入禁止の第2ゾーンより放射線被ばく量が多いにもかかわらず住める所もある。ウクライナでは事故後5年ほどたったときからがんなどの病気が増えていったのだという。日本もウクライナと同じかそれ以上にしんこくな問題になっていくのではないかと心ぱいになった。いまの日本だからこそ、保養に力を入れていくことが大事だと思う。

2015年8月16日埼玉県内の公立小の夏休み自由研究