【コラム|BUDDHY WEDNESDAY】参加者募集!「夏休み子ども止観(坐禅)会」

毎年FUJI ROCK FESTIVALが開催される頃、神奈川県の等覚院では「夏休み子供止観(坐禅)会」が開かれている。等覚院の夏の恒例行事で、今年が30周年。日程は7月24日~31日までの8日間と決まっていて、1日参加の方から皆勤賞の方まで、延べ600人以上が坐る。「止観」とは天台宗でいう坐禅のことだが、<子供坐禅会>と通称している。参加費無料、通学や通勤前などの大人たちで会場の半数を占める。

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時間は毎朝7時~約40分。6時40分位からぼちぼち子供たちは集まってくる。

7:00 鐘の音とともに本堂内へ
7:05 ストレッチスタート(坐禅用語では‘自按摩’という)
7:10 坐禅
7:30 終わりのストレッチ
7:35 般若心経
7:40 終了。のちひとことお話

といった具合。坐禅している時間は実際には20分欠けるだろうか。それでもストレッチの時点で坐禅はすでに始まっていて、もっといえば参集して入堂を待っている時間も坐禅といえる。こうやって広義でみれば日常生活が坐禅なわけだが、まずは20分坐る時間を大事にしたいところだ。

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<子供坐禅会>と銘打っているため、本当に豆つぶのような子から来る。最年少は3歳。坐禅うんちくは解らなくとも、20分じっと座布団の上に坐っていられる忍耐力はすごい。読者の御子さんは3歳で20分口をつぐんでジッとしていられただろうか。こうして子どもは‘待つこと’と‘我慢すること’を会得していく。文字通り、子供ながらにして‘肚が据わってくる’といえる。僕自身、子どものころは夏休みのはじまりが嫌で仕方が無かったが、今となっては、素地を鍛えられたいい経験だったと思う。
大人たちも、こんな小さな子供たちが頑張っている手前、みっともない姿は見せられないので、躍起になって坐る。子供は大人と同じプログラムをやったぞとう自信につながる。世代間の相互作用で坐禅は深まってゆく。

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地元で30年も続いていると、「子供の頃、母と一緒に来ていたんです。」という方が親となり、今度はわが子を一緒に連れてくるケースが出てくる。2世代、3世代…近年では4世代というご家庭も出てきている。
夏休みに入った親子が、家族が、手をつないで参加してくる光景はとてもいい。薄暗い本堂の中、大人と子どもは席を離して坐る。薄目を開けると、離れて家族が真剣に坐っている様子が見える。その真剣さは、家庭の中ではなかなか見られない姿だ。あの子ってこんなに落ち着いた表情見せるのね。とか、おばあちゃんの佇まいってこうしていると威風があるなぁ。とか。おのおのが真剣に打ち込むから立ち上ってくる姿があり、一堂で同じプログラムを終えたあとの帰り道には、お互いの関係性は少しだけ変わっている。一人前として認め合っている、という感じだろうか。

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住職(師僧)が中心となって行っていた頃には、朝のこの坐禅会を手伝って、終えてすぐ新幹線に飛び乗ってFUJI ROCK FESTIVALに向かっていた。ここ数年は、自らの主催事業はこの坐禅会で、ここが自分の現場で、自分がアクトであると思うようになった。昨年辺りから徐々にバトンは手渡され、今年は全日、僕が担当することになろう。夏の思い出に、蝉しぐれの朝、寺への参禅はいかがだろうか。
本堂でお待ちしている。

第30回 夏休み子供止観(坐禅)会

平成28年7月24日(日)~31日(日) 毎朝7時より(約40分)
予約不要・参加費無料