こんにちは!青年海外協力隊員として西アフリカ・セネガル共和国で活動させていただいている山口織枝です!!今回は、セネガルの人たちの仕立服について、書いていきたいと思います。
想像以上(?)にカラフルな色と模様のアフリカの服
![市場で布を売る店の様子。色とりどりの布が売られている。](http://www.earth-garden.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/02/200016651605_10211460505735983_543158409_n.jpg)
アフリカというとカラフルな服をイメージする人は多いかもしれません。私もそんなイメージを持ってアフリカの地に足を踏み入れ、そしてそのイメージは裏切られることなく、むしろ想像以上(?)のカラフルな色と模様の服たちが、黄土色の大地に映える様子を日々目にしています。
セネガルには「着倒れの国」という呼ばれ方があるらしく(*)、服を仕立てることがとても一般的に行われています。特に女性たちの間では、色とりどりの鮮やかなプリント布や刺繍を施した布などを市場などで購入して、仕立屋に持って行き、自分の希望の服を作ってもらうことは珍しいことではありません。
お祭りや結婚式などのイベントがある際には、そのために新しい服を仕立て、ここぞ、とばかりに着飾って出席する人も多いようです。
布の値段感は、500fcfa(日本円で約100円)くらいから、1500fcfa(日本円で約300円)くらい
![様々な模様のプリント布。真ん中のものは、本をモチーフとした柄。](http://www.earth-garden.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/02/200016650116_10211460531376624_1445021012_n.jpg)
私の任地のルーガ市にも、沢山の仕立屋があります。私も今までに何着か、市場で布を購入して服を仕立ててもらいました。布の値段はものによってピンからキリまであり、一般的にメートル単位で購入して、仕立ててもらう服に応じた長さの布を購入します。
1メートル当たり、お手頃なものだと500fcfa(日本円で約100円)くらいから、1500fcfa(日本円で約300円)くらいのものまで、質によって色々とあります。(もっと高いものもあるかもしれません。)また、布だけでなく、野菜や馬車の運賃などでもそうですが、お店の人との値段交渉によっても、値段は変わります。
布の長さは、たとえばローブ(robe=ワンピースのこと)だったら、大体3メートル購入すれば仕立てられます。(袖あり、袖なし、丈の長さなどのデザインでも変わってきます。)タイバース(taille basse=ウェストが低いことを意味する)という、正装としても着られているツーピースの服であれば、6メートル必要です。
仕立て屋さんの値段感は、8000fcfa(日本円で約1600円)くらい
![仕立屋の友人。足踏み式のミシンが一般的。](http://www.earth-garden.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/02/200016652044_10211460426373999_1416578824_n.jpg)
![仕立屋が軒を連ねる通り。](http://www.earth-garden.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/02/200016651648_10211460424333948_1053944225_n-2.jpg)
布を購入したら仕立屋に持って行き、何をどんな風に仕立ててもらいたいのか希望を伝え、どのくらいの期日までに作ってもらうかを相談し、決まったら布を渡します。仕立代は仕立屋によって、また何を作るか、どのような装飾を施すかによってまちまちですが、3000fcfa(日本円で約600円)くらいから、8000fcfa(日本円で約1600円)くらいが平均的ではないかと思います。
布選びは面白い!とにかく、種類が豊富!
私の任地であるルーガ市の市場にも、色とりどりの、様々な種類の布を扱う生地屋があります。服を作るとき一番面白いのは、布選びではないかと思います。プリント布には本当に沢山の模様のものがあり、そういった布を見ているだけでも面白いです。幾何学模様のもの、花柄、リボンの柄、鳥や魚などの動物の柄、中には扇風機の柄やサンダルの柄、ほうきの柄など変わったものもあり、町行く人の着ている服の模様を眺めるのもまた一興です。
イスラム教徒の人にとって祝日である金曜日には、正装をしている人も多い
![カフタンという服を着ている小学校の校長先生。この日はイスラム教の祝日の金曜日。](http://www.earth-garden.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/02/200016651672_10211460506255996_494281368_n-e1487625900127.jpg)
セネガルは多くの人がイスラム教を信仰しており、イスラム教徒の人にとって祝日である金曜日には、Tシャツなどの服装ではなく、カフタン(英:caftan、仏:cafetan、語源はペルシア語とトルコ語にあるそうです。)という服装(写真の男性の着ている服)や、ブーブー(ウォロフ語:mbubboo、仏語:boubou)という服(写真の女性はグランブーブーという、裾の大きく広がったブーブーを着ている)、また袖付きの服の上に袖無しの服を重ねたオボサンジョー(Obo Sanjoという昔のナイジェリアの大統領の名前から来ているそうです。)といった服に身を包み、お祈りのために正装をしている人も多いです。
![グランブーブーという、大きく裾の広がった服を着た学校の先生。](http://www.earth-garden.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/02/200016684805_10211460523696432_1959315579_n.jpg)
セネガルの女性たちはお洒落にこだわりが強い
![仕立服のタイバースを着ている友人。下は同じ柄のロングスカートを着用している。](http://www.earth-garden.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/02/200016652453_10211460521896387_1456590858_n-2-e1487626598986.jpg)
セネガルの女性たちは特にお洒落にこだわりを持っている人が多く、仕立服と合わせて、髪型や化粧にもこだわりが見られます。お洒落の一部としてカツラを被ったり、付け毛をしたり、付けまつ毛をつけたりしている人もよく見かけます。
こちらの仕立服を着ているとすかさず「それ可愛い」と言ってくれたり、普段あまり付けないようなピアスやサンダルを身につけていたりすると「可愛いね、それどこで買ったの?」と言われたりします。「着倒れの国」の女性たちからは、日々お洒落にかける情熱の強さを感じます。
セネガルの人々は美しい
![セネガルの仕立服のファッション誌。](http://www.earth-garden.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/02/200016559125_10211460527176519_519702585_n.jpg)
流行と思われる仕立服のスタイルを掲載したファッション誌も売っていました。(写真参照。)首都ダカールではファッションショーが催されたりもしているようで、セネガルのファッション文化には熱い風が吹いているようです。セネガルの人たちは平均的に長身で手足が長くスタイル抜群な人も多く、お洒落にキメて歩く人々は美しいです。
![① セネガルの仕立服のファッション誌。(表紙)](http://www.earth-garden.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/02/200016652401_10211460517256271_2057975677_n-e1487626020153.jpg)
セネガルの美容事情やファッション事情は奥深いものを感じるので、まだまだ修行中の私の知っている範囲はほんの序の口ですが(笑)、深く掘り下げていったら、きっととても興味深い世界が広がっているのではないかと思います。
*小川了編著『セネガルとカーボベルデを知るための60章』(明石書店、2010年)、阿毛香絵「セネガルの装い—「着倒れ」する女性たち」(第38章、P.198)参照。
Jean-Léopold Diouf (2003) , ‘Dictionnaire wolof-français et français-wolof’ , KARTHALA.
Britannnica(2007)『ブリタニカ国際大百科事典—小項目電子辞書版—』
小学館 ロベール(1988)『仏和大辞典』