earth garden“ 秋” のGREEN ENERGY STAGEに出演するDAHMA。REO MATSUMOTO(松本族)と Nory(digda)によるインストゥルメンタルバンドです。 ハンドパン、ヒューマンビート、6弦ベース、シンセサイザーとループなどのデジタルアプローチを融合したチルアウトミュージックが心地よく、きっと素晴らしいライブを見せてくれるはずです。
二人の出会いはメルボルン。お互いが路上パフォーマーでした。様々な国のストリートを舞台にジャムセッションを繰り返してきたのです。そして2016年の春から、DAHMAとしての活動を始めることになります。海外のストリートでアイデンティティを見つけた二人に、アーティストとしての原点を聞きました。
自分の好き・嫌いを突き詰める
REO「20歳くらいのときは、みんなが良いって言ってるものが好きだったし、悪いって言ってるものが嫌いでした。枠から外れたくない、みんなと同じ側にいたいって気持ちが強くて…。周りから外れることで、どんなふうに思われるか、怖かったのだと思います」
昔は、美容室に行くのも恥ずかしかったそう。こんなオシャレな人たちに、自分の格好や、ヘアスタイルがどんなふうに思われるか、そればかりが気になってしまって、恥ずかしくてたまらなかった、と。そんなREOが、当時、一緒に活動していた音楽仲間と共に、海外に向かいます。
REO「海外に行ったら、みんな『私はこれが好きで、あれが嫌い』と、はっきりしていました。海外でみんなと同じ側にいるには、自分なりの意見を持たないといけなかった」
自分の判断基準がグルグルと堂々巡りします。みんなと同じ側にいるために、自分の意見を持たないといけない。だから、REOは毎日考えたそうです。なぜ自分はこれに心地よいと感じるか、なぜあっちは気持ちが悪いか。なぜかっこいいと思ったか、ダサいと思ったか。毎日、毎日…真剣に。
REO「真剣に考えると、だんだんと自分の好き嫌いに自信が持てるようになる。自分の好きなものが分かれば、目の前に広がるあらゆることから、どれが自分にとってのチャンスになり得るか分かるようになります。そして、自分のことを知る要領で、自分たちの音楽のかっこよさ、聴いてほしいシチュエーションも、プレゼンテーションできるようになった。音楽活動の結果もついてきました」
他人の評価を気にする必要はない
Nory「メルボルンではみんながいて楽しかったんですけど、カナダにいったときには、一人きりだったんです。自分の曲もなくて、ベース1本で、周りに誰も頼れる人がいない。誰も自分のことを知らない。不安でした」
Noryは、その環境に開き直って立ち向かいました。
Nory「最終的には、自分の好きなことをやればいいんだって開き直りました。だって、生きてきた環境がそれぞれ違うわけだから、好き嫌いも全然違うでしょ?誰かに笑われたっていい。自分の感覚と違う人がいて当たり前だから。だから世界が面白いんだと思うんです」
音楽をやりたくて、地元から上京したNory。あの時鼻で笑ったような地元の友達を見返してやるには、大手レコード会社からレビューするとか、テレビに出たりすることがわかりやすいと考えていました。
Nory「有名にならなければ『あいつは結局負けたんだな』って思われる。それが怖かった。でも、海外に出て、一人で考えぬいて、行き着いた先は、シンプルなことでした。自分がかっこいいと思ったことを突き詰めればいい。きっとそういうことなんです」
私に立ち戻った先にある、つながり
自分の中の好き嫌いをはっきりさせる。他人の評価を気にしない。そして、私に立ち戻る。私が確立することで、人と繋がる意味が生まれる。
REO「自分の強みがはっきりしているから、自分に足らないことが何かも分かる。誰かと一緒にやることにも新しい価値が生まれると思う」
Nory「会社のようにいろんな人がたくさん集まるんじゃなくて、小さくて小回りの効くグループがいいと思います。右向け右ではなく、それぞれが独立しつつ、補えるような」
REO「自分は自分、他人は他人なんだけど、それがわかった上で歩み寄れる心の余裕があれば、いろんなことがうまくいくと思う。柔軟性が大事なんじゃないかな。そこに分かり合える世界があるとと思います」
本気で生きている人はかっこいい。音楽にも生き様が現れています。ぜひ、ライブを見に来てください。