あたらしい元号がまもなく4月1日に発表ですね。
そんな公式発表が待たれる中、過日、神奈川県の寺・等覚院にて、この転換期だからできる特別なワークショップ(以下WS)を実施!
題して【あたらしい年号をともに考えるワークショップ】。ここでその報告をしましょう。
まず、「あたらしい年号」の採択にあたっては、
・漢字2文字であること
・過去に例がないこと(他国の歴史も含む)
・M(明治)T(大正)S(昭和)H(平成)と混同しないようMTSH行は避けること
などが原則ではないかと言われています。そこで、まずは過去の年号をすべて洗い出し、スクリーンに投影。ルールの確認を。
そしてここからは、参加者1人1人が辞書を引いて考える、ソロワークの時間。
「私はここから先、どんな世の中をつくっていきたいだろうか?」
「自分ならどんな時代を、みんなと描いていきたいだろうか?」
「そしてそのたすきを、どう渡していけるだろうか? 」
やってみると、これはまさに、これから生まれてくる我が子に名前をつけるような、希望を託す「命名」のWSだったのでした。
それと同時に、自分のことのみならず、
「あの人は、どんな営みを望んでいるのだろうか?」
「周囲の人々は、何に安心を求めて、何を守ろうとしているのだろうか?」
という、人々のねがいにも、想いを馳せるような時間となりました。
自分の年号案が決まったら、お習字セット(すずり&墨&半紙)に坐り、筆でえいっと清書。
そして全員の年号案が出揃ったところで、おまちかね、いよいよ発表です!
会場の正面に、記者会見テーブルを用意。
「平成」を発表した小渕さんのように、順々に発表していきます。
会場からは「おおぉーっ」とどよめきが。
「それにはどんな意味が込められているんですか?」
など、参加者から和気あいあいと質問が飛び交い、発表者は丁寧に答えていきます。
ちなみに私のつけた年号はこれ。
工久(こうきゅう)。
工…たくみ、ものをつくること、しごと
久…ひとを引き止めて離さないさま
これからさらにどんどん多様化して複雑化するこの国が、しかし昔から大切にされてきた佳きところは継承していきたいよね、というのが意図。「文久」とどちらかで悩んだのですが、こちらを。
こうして全員分が出揃ったところで、さしあたって、我々としての年号はこれでいこう、というものを1つ選ばなければいけないよね、ということで、1人2票ずつ、投票することにしました。
皆、熟考しています。
そして、我々としての年号はこれ!と決まったのは、、
楽喜(らっき)!!!
ラッキーな時代が来ますように、とかけた命名ですが、字面も響きも明るくてとてもいい、と決定されました。私の「工久」は2位でした(笑)。あと、筆で直筆しているので、それぞれのお人柄が字に表れたのも、面白みでした。
(先日ある会でこの話をしたところ、「でもラッキーがいつまでいい意味で使われるか分からない。たとえば、ヤバい、のように、使われ方が時代によって変わるかもしれない。だからその案には反対」と言われ、なるほど深いな、と思いました)
「楽喜」「工久」以外のアイデア一覧はこちら。
この中からたとえ一文字でも、本当の年号と合致したら、それはすごいことですね。3時間半のWSはあっという間にお開きとなりました。ご参加の方の評判がよく、帰って仲間を集めて再度やってみた、という方も。
そもそも、あたらしい年号をしもじもが考えるということ自体が、たいへーんおこがましいことだったかもしれません。実際、お叱りも覚悟しました。けれどもこのWSに惹かれる!とご参加くださった方々は、言ってみれば「あたらしい年号」に象徴される「これからの社会」を、自分たちの手で模索してゆこう!という意思のある方達ではないかと感じました。
いよいよ平成31年(2019年)4月30日に今上天皇は退位され、翌5月1日に新天皇が即位されます。
「平成」が幕を下ろし、「あたらしい時代」が始まるのです。
どんな年号であれ、日々の安穏が保たれて、なにげないしあわせをかみ締められるような、そんな時代が続くといいなと思っています。
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