辻信一監修のゆっくりノートブック・シリーズ最新刊
『自然農という生き方~いのちの道を、たんたんと』
川口由一+辻信一
世界はいよいよ曲がり角だ。今こそ改めて、自然農とは何か、と問い直してみよう。そして川口さんの生き方に注目しよう。そこには、3・11以後の危機の時代を生きるための智恵が詰まっている。(辻信一の「はじめに」より)
ゆっくりノートブック・シリーズ8巻目のテーマは「農といのち」。自然農を30年にわたって手掛け、多くの人々に影響を与えてきた川口由一さんの生き方、考え方に辻信一さんが迫ります。
川口さんが実践する「自然農」のキーワードは、「耕さない、農薬、肥料、動力機械を使わない、草や虫を敵としない」というもの。豊かないのちたちがめぐる田畑で、川口さんはどのような道を歩み、どんな答えにたどり着いたのでしょうか?大転換期をむかえた世界を生きるための智恵が、たくさん詰まった一冊です。
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「いのちの道、人の道、我が道を生きる」
奈良県桜井市で、農家の長男として生まれた川口由一さん。彼は中学卒業後、時代の流れに合わせて農薬や化学肥料を使った近代農業に従事しますが、自身の体調を崩したことをきかっけに「自然農」に転換します。以来30年近く「耕さない、肥料も動力機械も使わない、草や虫を敵としない」をモットーに、「いのちの道」に沿った自然農という生き方を展開してきました。「畑には余計なものは何も持ち込まない、畑から何も持ち出さない。人間は作物がたくましく育つ手伝いをするだけ」という川口さんの農のあり方を見つめることは、「農業」という分野の枠を越えて、これからの私たちの生き方を問い直すことにもつながります。
本書では、川口さんの人生をたどり、その人生観、子育て、医療、環境、さらに自然農の哲学からみる自然と人間とのつながりについて、文化人類学者の辻信一が、たっぷりと聞き出していきます。
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著:川口由一、 辻 信一 企画・編集:ゆっくり堂
定価1,200円+(税) 発行:大月書店
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世界中の農業は近代化の果てに、今やいのちの世界から遠く隔たった場所に行きついてしまっている。農と食という、つまり人類の生存の基盤そのものが、市場競争の中にまきこまれ、グローバルな自由貿易の渦中に放り込まれてしまったのだ。
こうした急激な変化を可能にしたのが、化石燃料だった。安価な石油を湯水のごとく投入することによって、「十のエネルギーを投入して一を得る」という不条理が正当化されるにいたった。そして今では、地球温暖化の原因の40%近くが直接的、あるいは間接的に農業と食産業に関わっているとさえ言われる。いのちを育むはずの営みが、人類の未来にとって最大の脅威になり下がっているのだ。そんな時代にあって、自然農とは何を意味するのか?それは、こんがらがった糸をほどくように、農耕という人間の営みの大もとへとたどり直すことに違いない。
世界はいよいよ曲がり角だ。今こそ改めて、自然農とは何か、と問い直してみよう。そして川口さんの生き方に注目し、その言葉に耳を傾けよう。そこには、大転換期を生きるための智恵が詰まっているはずだ。
■川口由一(かわぐちよしかず)さんプロフィール
1934年(昭和14年)、奈良県桜井市生まれ。
1970年代より無農薬、無肥料、不耕起えお基本とする「自然農」を始める。漢方医学と出合い、農と医療の両面から、生命の営みに沿った生き方を模索し、実践してきた。1980年代後半より、雑誌「80年代」への連載や自然農田の見学会を開始。1997年ドキュメンタリー映画「自然農‐川口由一の世界」(グループ現代)が制作される。「妙なる畑の会」(奈良県桜井市)、「赤目自然農塾」(三重県名張市)、「漢方学会」(奈良県桜井市)などの学びの場を通じて自然農という生き方を伝え続けている。主な著書に『妙なる畑に立ちて』(野草社)、『自然農から農を越えて』(カタツムリ社)など。妙なる畑の会・赤目自然農塾 http://iwazumi2000.cool.ne.jp