選挙フェスの熱冷めやまぬ 三宅洋平と難波章浩が語る「今、僕らに必要なのは、世界はもう変わったことを伝えること」[前半]

2013年7月のアースガーデン“夏”で2千人の心に深くメッセージした三宅洋平/選挙フェスは、その後に全国を巡って渋谷AX「NO MORE FUCKIN’ NUKES」でもアピールし、やがて17万票の“最多得票落選者”として大きな注目を集めました。今、僕たちが、大いに語り大いに計画する、新しい世界の現在進行形。前後半に分けてお送りします。

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http://www.earth-garden.jp/culture/30886/

フェスをオーガナイズするように、国をオーガナイズする
「やれることは全部やる。その腹はくくったよ。」

難波「今回の選挙フェスって、ストリートカルチャーの勝利の形だと思うんだよね。原発には勝ってないけど。『選挙フェス』っていう言葉を使って、成熟したフェスとかストリートカルチャーがここまで来てるぞって。ここまで成長してくるとさ、フェスをオーガナイズするのも、国をオーガナイズするのも、要は規模の違いであって、共通するところってあると思うんだよね。でも、俺らではいい感じのレベルまでイメージできるのに、邪魔するのが頑固ジジイなわけじゃん。そこも言っちゃえばあと10年でみんな引退だからね。俺らがジジイになるときがくるんだから、その時には、官僚だって、国会議員とだって話できるよね、もう。」

三宅「まだまだ勉強しなきゃいけないことが、とてつもなく多いって毎日思っているんだよね。政治はもちろん、経済、社会、心理、統計、金融工学や、生物学も、・・・もう1回、いや、もう4回くらい大学入りなおしたつもりで学びたい。そういうモチベーションが今、すごくあるんだよね。」

難波「全然いけるでしょ。いけるって。頭いいやつらに負けてないって。」

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三宅「うん、すげえ燃えてる。選挙中よりも政治を語るハードルが、自分の中でガンッと高くなってる。オレの中にもうひとり『お前はまだ、なにを言う資格もねえよ』っていうオレがいてさ。もちろん、インタビューとか番組で頑張ってそれを乗り越えて喋るんだけど。選挙のときよりも、無垢じゃないっていうか、欲があって、『もっとお前こうなれよ、こうなってから言ってみせろ』って。」

難波「やばいやつらは、まだいるんでしょ。だから負けないでよ。完璧になっちゃえばいいんだよ。無敵になっちゃえば。」

三宅「この間、岩上安身さん(IWJジャーナリスト)の事務所に行ったら、もう壁一面に本が並んでいて、『ここの本全部読みてー』って。これからオレがそういう風に勉強、成長していくプロセスをさ、Twitterや、facebookで日々見せていきたい。それに釣られて、みんなもどんどん賢くなっていけばいいと思ってる。もちろん知識だけが答えじゃないんだけど、やっぱ必要だなってのはすごい思ったし。正直、反原発は、事故前からエモーショナル過ぎたし、科学に弱すぎた。

選挙に出る前は、演説中に酔っ払ってなにが悪いんだよ。とか、スーツなんて着ねーよ、タスキつけねーよ、オレのまんまでやるんだよ!って思ってたのが、気がついたら『今日の取材は、スーツ着てったほうがいいのか』とか、考える自分がいて。でも、それも必要だと思うんだよね、これからは。もうね、やれることは全部やる。それが政治家になるってことだよね、やっぱり。その腹はくくったから。」

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オレらみたいな感覚の人で、1万人の立候補

難波「今回の選挙は、洋平君をそもそも知らない人が、たくさんいれたと思うし、動いたと思うんだよ。『脱原発ってことをやってくれよ、政府!』って願ってるみんなが、洋平君に。」

三宅「17万票の重みをどう思いますかって、インタビューで聞かれるんだよね。そういう時は『いや、そんな重みなんて感じてませんよ。』って答える“よう”にしてるし『次の選挙で、またゼロから積むだけですよ』って言う“よう”にしてる。正直、やっぱり重いよ。だけど、敢えて重いと言わずに、全然!って言ってる。次はゼロからだって、自分に言い聞かせてる。」

難波「これからの戦略的なものはどう考えてるの?もう、たくさん現れてきてるんでしょ。僕も覚悟しました!みたいな連中も。」

三宅「地方は何十人も手を上げ始めてるよ。やばいことになるよね。次は誰かなーと思ってる。いよいよかなっとか言って・・。」

一同:視線が難波さんへ・・・

難波「いやいやいや!(一同 笑)」

三宅「自分自身のことで言えば、今回は本当ぶっつけだった。時間も金もない。オレならこうするのにって、見てて思った人もいっぱいいたと思うよ。今度は、オレがみんなを応援する立場でもあるよね。具体的には、地方選が始まる。全国で市区町村の議員定数は3万あるんだよ。県議除いて。3万議席のうちの1万ぐらいをオレらみたいな感覚の人で占めたいと思っている。それを1万人の立候補プロジェクトって言っていて。

緑の党でもいいし、自民党でもいい。これまで政治の世界に入っていないけど、同じ思いの人たちが、色んな立場から議員になるべきだと思ってる。そのために、オレをどんどん利用してほしい。そのイマジネーションを思う存分発揮してよって。オレが擁立するわけじゃなくて『選挙フェスを見たら、自分もやれる気がしました』って人がいたら『じゃあ、頑張って。ツイッターでお前のことつぶやくよ』って。そこは勝負だからさ、面白くないと思うやつのことは応援しない。でも、こいつのためなら一日時間使いたいと思ったら行くよね。」

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ライブだろうが国会の答弁だろうが、ステージ

難波「オレはさ、三宅洋平が、普通のロックフェスとかでもヘッドライナーをとるようになってほしいよ。参院選で『三宅洋平、選挙フェス!!』って反応してくれたみんなを、もう離さない。一緒に連れていく。だから、早めに『選挙フェス』って言葉と『三宅洋平』が目立つような動きをするべきだと思ってる。『全然沈んでないよ、オレらイケイケだけど?』って状態を見せなきゃいけないし、それを作るのは俺らの役割なんだよ。ライブだろうが国会の答弁だろうが、ステージなわけじゃん。とんでもないアートを身につけてしまえばどこだって同じ。生きてるのがライブって言うか。三宅洋平はとんでもないアーティストになっていくと思うよ。世界中いける。」

三宅「やっぱり、バンドって燃えるんだよね。選挙のあとさすがに休ませてほしかったんだけど、取材に次ぐ取材で、全然休めなかったの。で、クタクタのままツアーに出たら、疲れがふっとんだ。」

難波「そっか。だよねぇ・・バンドいいよね・・。」

三宅「選挙後の最初のライブで、全然調子出なかったんだよ。まだ声が戻らないし、疲れてるし。全然納得いかないライブだった。その時分かったんだけどさ、納得がいかないライブを一回でもやってしまうと、超むかつくんだよ。選挙に出てたってプライド一個も傷つかなかったけど。やっぱオレ、バンドマンなんだよ。やっぱりここなんだなって。それで逆に、年に200日近く国会に縛られてる人が、国の何が見えてんの?とも思って。」

三宅「あれ、さぼったらどうなるの?」

難波「みんなうまいことやってるよ(笑)。全部は出てないみたい。さぼりに関しては結構ほら、オレらだって天才でしょ。」

難波「俺、代返しとくから。」

三宅「代返はきかないでしょ、国会に!」

一同:爆笑

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編集:南兵衛@鈴木幸一、葛原信太郎、室井舞花
インタビュー写真:meg suko