1月17日は阪神淡路大震災があった日です。その時間は長かったのか、短かったのか。一人ひとりにとって、感じ方は全く違うと思います。そんな節目の日の前日に見て欲しい映画があります。この映画は、阪神大震災から15年となる2010年1月16日の夕方から始まるんです。
その街のこども 劇場版
阪神・淡路大震災で子どものころに被災するも、現在は東京で暮らす勇治(森山未來)と美夏(佐藤江梨子)は、追悼の集いが行われる前日に神戸で偶然知り合う。震災が残した心の傷に向き合うため、今年こそ集いに参加する決意をした美夏に対して、勇治は出張の途中に何となく神戸に降り立っただけだと言い張るのだが……。
演技なのか、素なのか
子どものときに実際に被災した森山未來さんと、サトエリさん。2人の演技、、、どこまでが演技で、どこまでが本当の気持ちのなのか、分からない。それがこの映画の凄みだと思います。
子どもときに被災し、苦しすぎる思い出を心の奥にしまい、東京で過ごしていた二人が、ひょんなことから終電を乗り過ごす。そして、地震があった5時46分まで、ひたすら歩く。それをすぐ近くでずっと見守っていくような映画です。
行きたいのか、行きたくないのか
映画の中で、サトエリさんが言います。「行かなだめなんです。」と。
なんとなくと言いつつ確信犯的に神戸に来た森山未來さんと、5時46分の追悼に来たサトエリさん。本当は行きたい、でも行ったら心の奥にある記憶に向き合わざるをえない。だから、行きたくない。
最終的に、2人は追悼が行われる公園に行くのか、行かないのか。
向き合えるのか、向き合えないのか
2人は、震災に対して、大きなトラウマを持っています。向き合いたくない。でも、向き合いたい。だから、神戸に来たのでしょう。
2人で目的地に向かって歩いていくことは、2人が少しずつ自分と向き合いながら成長する描写でもあります。
音楽は大友良英
音楽がまたすごくいいんですよ。淡々と少しずつ成長していく2人に音楽も歩調を合わせて共に歩いていくというか。
プロジェクトFUKUSHIMA!や、あまちゃんで、東日本大震災と向き合う大友さんは、阪神淡路大震災にも向き合っていたんですね。
本当に僕はこの映画が忘れられなくて、毎年この時期にはこの映画を見ています。TSUTAYAなどにもありますので、ぜひご覧になってください。
http://sonomachi.com/