エレクトロ?ジャズ?ロック?ヒップホップ?いかんとも形容しがたい。でもめちゃくちゃかっこいい!最先端のニューヨークサウンドを奏でる「Yasei Collective」がearth garden “夏” のステージに出演。音楽好きからはすでに大注目を浴びている彼らですが、これからどんどんフェスに出演していくとのことで、Yasei CollectiveのNEXT STAGEを取材してきました。
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この度、ヤセイコレクティブはACIDMANのマネジメント事務所である[FREESTAR]に所属することが決定しました。
自主レーベル[Thursday Club]を立ち上げ11/25に発売するニューシングルと共に新境地へ! https://t.co/bOHoTdDPmc
— Yasei Collective (@yaseicollective) 2015, 9月 18
— これからどんどんフェスに出ていきたいと聞いていますが、ライブハウスからフェスへ、フィールドが変わることについて、どう思いますか?
松下 基本的にフェスバンドっていうと、四つ打ちとか踊れる音楽が主じゃないですか。フェスの数自体は増えているけど、音楽としてはすごく似てきていて、僕らはそういうタイプのバンドではないし、とりあえず、ジャムバンドというジャンルの中に押し込まれているけど、ジャムバンドってなんだろうってところもあるし。難しいと言われようが、分かりにくいと言われようが、自分たちの中で最大限にかっこいいと思う音楽をポップに仕上げて、それを土台にして、フェスにも出ていきたいんです。そのときに、お客さんがどんな反応をしてくれるのかを楽しみに。
別所 僕らはフェスに「はじめまして」という感じで出て行く。そういう意味ではNEXT STAGEです。
中西 良くも悪くもステレオタイプな”フェス”的なバンドの音ではないので、どういう反応でもいいと思うんですよ。でもその中で踊れる部分があれば踊ってもらえればいい。こういうやり方もあるんだって驚いてもらってもいい。
松下 意外と踊れると思うんですけどねぇ。メロディはしっかりあるので(笑)
斎藤 先入観なく聞いてもらえるので、逆にすごくいいですよね。
松下 なんか、こういう風に言っちゃうと、俺たちスタイル変えねぇからとか、人と違うことがやりたい、みたいに聞こえると思うんですけど、そうじゃなくて、俺たちがかっこいいなぁと思うことをやると、ちょっと人とは違うものになってしまうようなので、、、別に意図的にやってるわけではないですけどね(笑)
— フェスってすごく多様な世界で、それを楽しみに来るお客さんが多いと思うので、どんな反応が起きるかワクワクしますね。
松下 そうですね。出会いの数も凄いですからね。去年、中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2014に出させてもらって。あれが、フェスとしては、FUJI ROCKのROOKIE A GO-GO以来だったんです。俺らのステージを、出演していたミュージシャンとかもたくさん見に来てくれて、そこから今につながっている縁もすごく多いんですよ。一本のフェスでもいろんなものにつながるんだなって。今年はもっともっと広がっていくのかなと思っています。
— 楽しみですね、2015年。今年でバンドとしては6年目なんですよね。
松下 6年も一緒にいると、ちょっとメンバー同士、空気を読み合ったりとかするじゃないですか。だから、リーダーとしてはそれを一回フラットに戻して、ゼロから曲作り、ライブ作りに取り組みたいとは思っています。なんとなく「こんなもんでしょ」っていうのが出てきちゃうんですよね。ここでストップしておいたほうが、ツアーだったら明日もあるしなぁとか。全員30歳超えたここで新しいステップというよりもリセットなんですよね。過渡期です。ガラッと変えていく部分も見せていきたいなと。
別所 今、はじめて聞いていますけどね(笑)マジかよ(笑)
松下 たまに気持ちも変えていかないとね。
— 30歳って、よく節目だと言われると思うんですが、そうですか?みなさんのNEXT STAGEを聞きたいなと。
別所 僕のNEXT STAGEは、ちょっと痩せるっていう(笑)あと、真面目な話、曲を書きたいと思っています。僕がこのバンドのために書いた曲はまだ1曲ぐらいしかなくて、だいたいギターの拓郎が書いているんです。そろそろ書きたいなと。
斎藤 俺のNEXT STAGEも曲作りですね。今までとは違う手法とか理論を用いて、もっとコンテンポラリー的な理論を使って、でもポップで分かりやすいところを行きたいなと。
中西 やっぱりこの歳になると、抱え込むことも多いじゃないですか。自分が希望する・しないに関わらず。そういうのから離れて自分が完全に楽器を始めたときに柔軟な子どもみたいなかんじで付き合えるのがこのバンドの音楽なんです。その部分をどんどん研ぎ澄ましていきたいんですよ。他の人からどう見られているとか、そういうのは置いておいて、自分と音楽が向き合えるようにしていきたいなと。それが僕のNEXT STAGEかな。
松下 うちのメンバーって出会いがおもしろくて。別所は大学まで鈴木亜美が大好きで、J-POPしか聞いていなかったのにいきなりJAZZをはじめて。まぁ、いわゆるダサい大学生っていうか。俺らと知り合ったことでちゃんとオシャレになってきて。
別所 この人、愛情と反対の言葉が出てしまう病気なんで気にしないでください(笑)
松下 こっち側に来て本当に良かったよね。それで拓郎に関しては、大学の後輩なんですけど、スタジオミュージシャンになりたいって言ってたよね?それで俺がLAから帰国したら、野外で麻雀を打っていて、お前スタジオミュージシャンになるんじゃなかったのかよって、ホント自由だし変だし、絶対コイツとは音楽やらないと思ったんですけど、いきなりエフェクター買ったんですって持ってきて、電子音が超面白いって言ってって。すでにベースの道くんとは渡米中すでに知り合っていて、一緒に話しているときに、ちょっとこいつ鍛えればおもしろいんじゃないかと。だから今でも麻雀スロットの毎日だったかもしれない拓郎はラッキーなんです。道くんは元々フュージョンが好きだったんですけど、やんわりとそういう音楽ダサいからアメリカに来てまで聞かないほうがいいよって伝えて、それからずっと一緒にやってもらってます。
中西 全然やんわりじゃなかったよ(笑)全部打ち砕かれたんですよね。でも、やっぱりドラムすごいし、納得させられたっていうか。
松下 まぁ、こんなかんじで、メンバーのバックグラウンドはバラバラだし、俺もTHE YELLOW MONOKEYとかハイスタとかレイジがすごく好きで、高2でバンド初めて、大学でJAZZ研はいって、そこでSAKEROCKとか在日ファンクのメンバーもサークルにいて、バンドシーンに突入ってかんじなんです。
— 本当に様々ですね。ここで改めて、バンドとしてのNEXT STAGEを聞きたいんですけど。
松下 そうですね、さっきも言ったようにスタンスとは別に新しく作り変えていくという意思は割と強くて。もう少しJAZZっぽさを入れていきたいんですよ。それをロックバンドとしてちゃんとやったら、かっこいいんじゃないなかと今さら思って。なんか日本て、JAZZの音楽はオシャレだけど、トータルでなんかダサいイメージあるでしょう。アメリカでは今でも多くのJAZZミュージシャンが、ファッションも音楽もすごいかっこよくて、憧れの的なんです。そういうかっこいいJAZZさっていうのも取り入れたいんですよね。国内にも俺らと同年代でかっこいいJAZZミュージシャンいっぱいいるし、でもそれを俺らのシーンの人間は知らないし、同じように俺らのことをJAZZシーンでは知ってもらっていなし、そういうのを打破するような交流ができたらいいなと思っています。
別所 最近は、バンドシーン以外にも本当に幅広い方と交流できていて、村上“ポンタ”秀一さんとか、海外のバンド、例えばKneebodyとか。
この前のアルバムもまさにそうだったし。( 2014年に発売した彼らのアルバム『so far so good』は、ゲストミュージシャンが超豪華すぎると話題になりました。福田“TDC”忠章 (Ds) from FRONTIER BACKYARD、柳下“DAYO”武史 (Gt) from SPECIAL OTHERS、在日ファンクホーンズ、後関好宏 (Ts) ジェントル久保田 (Tb) 村上基 (Tp) from 在日ファンク、Shingo Suzuki (Ba) from Ovall / mabanua (Ds,Vo) / 関口シンゴ (Gt)、浦山一悟 (Ds) from ACIDMAN、稲葉隼人 (8beat) ex. DOPING PANDA など。)そこから生まれていくことも多いだろうと思います。
松下 この間のアルバムは、各ゲストアーティストのファンの人がよく聞いてくれていたんですが、自分たちが普段見ているアーティストのキャラクターと違うから、すごくおもしろがってくれて。そうやって、はじめましての人に俺たちの音楽を伝えていけるし、俺らの音楽を聞いてくれている人にはじめましての人を紹介したりして、そうやっているとすごく世界は広がっていくと思うんです。映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』の音楽をやっていたアントニオ・サンチェスがこの間ブルーノートでライブをやったんですが、そのライブに参加してたのが、この間のアルバムのゲスト参加してくれたKneebodyってバンドのベン・ウェンデルってサックスプレーヤーで、ライブに招待してくれたんです。ブルーノートなんて、学生の頃は必死に貯めたバイト代はたいて行って、コーラ1杯で過ごすみたいなところじゃないですか。でも、いろんな広がりがあると、こうやってどんどん自分たちの身近なものになってくるんです。これから、きっと海外もどんどん近くなるし、それはタイミングとか、人のつながりとか、いろいろあると思うんですけど。自分でアンテナ張っていれば、どんどん情報は入ってくるし、自分の好きなアーティストのライブ動画が、翌日には見れてしまうような時代ですから。だって、ちょっと前までは、2年前のライブ映像を撮ったVHSを何回も見て技術や文化を習得していたんですよ。今は本当にリアルタイムだし、こっちも同じ条件でアップデートできるわけですよね。だから、常に外を見て、さらに外から見られているという感覚をもってやらないとなと思っています。
— そういう意識の高さはあらゆるクリエイターが持ってないといけませんね。最後に、earth garden “夏” に向けて一言お願いします。
松下 他の夏フェスには全部僕ら単体で出るんですけど、earth gardenに関しては、類家心平、沖メイ(Za FeeDo)をフィーチャーして出演します。去年のツアーファイナル以来のものすごいレアなメンバーでのライブになります。ちょっと足を止めてなんだろうと見てくれた人が得するライブをしようと思っているので、是非聞いてもらいたいですね。
別所 earth garden “夏” までにやせます。目標はマイナス2kgで!
斎藤 しっかり走りこんでいきたいなと思います。
松下 巨人軍の新人かよ(笑)
中西 僕はじゃあまともなことを言いますけど(笑)代々木公園っていうオープンエアなところで。普段は屋根があるところばかりでライブしているので、僕らの演奏の雰囲気もちょっと変わると思うし、そういういつもの違うなというところを見てほしいし、初めての人はこんな音を出している人がいるということを知って欲しいですね。
— きっとYasei Collectiveの音楽を初めて聞く人も多いと思うので、どんな反応が起きるのか、僕らも楽しみです。ありがとうございました。
http://yaseicollective.com/