from 三宅洋平 to 杉岡太樹

時間がありまへん

選挙ではなく

いま人間がおかれている状況が
です

皆、麻痺しています
僕もたまに麻痺するくらいです
麻痺しないように必死です。

人類の考え方の構造を
根本的にリセットして、
新しい価値観をかなりパワフルに
歩む必要があります。

それぞれの心と行動に火をつけあって
いけたらばと思います。

スコセッシが撮ったウッドストックが必要です。

from 杉岡太樹 to 三宅洋平

オレは麻痺してるうちの一人かもしれないけど、
それでも挫けないように必死で生きていて、
そういう自分が撮る「三宅洋平」のポジティブな力を信じています。
よろしくお願い致します。

Production Note

この映画は一通のメールを受け取ることから始まった。

時間がありまへん
選挙ではなく
いま人間がおかれている状況が
です

僕が三宅洋平に出会ったのは2011年春。東電福島原発の事故、そして政府の対応に異議を唱えるように日本各地で勃発した”脱原発デモ”を撮影していた時だった。2011年4月26日、いまだ予断を許さない状況の中で、原爆ドームの前に集まる群衆に向かってギターを爪弾きながら語りかける男。それが三宅洋平だった。

原発事故が起きてからそこに至るまでの約1ヶ月半、政府や東電をただただ糾弾するばかりの人々に少し違和感を覚え始めていた僕は、「ひとつになること」――調和を人々に呼びかけていた彼に興味を惹かれた。傷ついた痛みを隠しきれない脆さと、何をも恐れないかのような覚悟の強さ。相反する二つの要素を同時に見せる、言葉では表し難い彼の表情とふるまいに、僕は釘付けになった。

その時の記録は、僕の長編デビュー作『沈黙しない春』として2012年に公開された。

そして一年後、三宅のメールが僕の元に届く。「選挙に立候補する自分の記録を、チームの一員として撮ってほしい」という内容だった。非常に“おいしい”話であったが、彼のオファーはきっぱりと断った。その時の僕には、彼がなぜ政治の世界へ向かうのか理解できなかったし、被写体に報酬をもらって撮ってしまえば表現の自由が損なわれる恐れがある。そこで、代替案をこちらからオファーした。「資金援助は一切受けずに、アウトサイダーとして選挙に密着させて欲しい。どんなにカッコ悪くても、都合の悪いことでも、それが事実ならすべて撮らせてもらいたい。」

映画「選挙フェス！」は、立候補者・三宅洋平のPRではない。僕が彼と共に経験した17日間の記憶をありのままに再構築し、直接的に追体験してもらうことを目的としている。この作品を元に、政治と文化における議論が幅広く行われることを僕は望む。それが僕なりの「三宅洋平の応援」であり、日本の今を生きるアーティストの端くれとしての責任であると感じている。

Profile

三宅洋平 / YOHEI MIYAKE

1978年7月2日、ベルギー生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、リクルートに就職するも9ヶ月で辞職。ジョー・ストラマーとの出会いをきっかけに、レゲエ・ロックバンド「犬式 a.k.a.Dogggystyle」を結成。2003年のフジロックで持ち時間を60分オーバーするなど、規格外のREBEL感を放ちながら旺盛なライブ活動を展開する。3枚のフルアルバムを発表した後「犬式」を無期限休止、2010年に「（仮）ALBATRUS」を結成。原発震災を機に沖縄へ移住し、パーマカルチャーなどに影響された「新しくて懐かしい」自給自足ライフを模索する。2013年、緑の党からの推薦を受け、参議院選挙全国比例区より立候補。

三宅洋平 政策9ヶ条
①文化を最大の輸出品に
②復興から保障へ
③除染から廃炉ビジネスへ
④送電線から蓄電技術へ
⑤消費増税から金融資産課税へ
⑥大規模農業から家庭菜園へ
⑦官僚主権から住民主権へ
⑧破壊から再生の公共事業へ
⑨憲法9条を世界遺産に

杉岡太樹 / TAIKI SUGIOKA

1980年神奈川県生まれ。01年より渡米、School of Visual Arts（ニューヨーク）にて映画製作を学ぶ。第84回アカデミー賞ノミネート作品の『もしもぼくらが木を失ったら』や、日米で異例のヒットとなった『ハーブ&ドロシー』などの制作・配給に参加。2010年より拠点を東京に移し、”脱原発デモ”の萌芽を追ったドキュメンタリー『沈黙しない春』で2012年に長編映画デビュー。現在、ブラインドサッカー日本代表チームを題材にした長編ドキュメンタリーを製作中。

上映＆監督トーク　今後の予定

5/7(土)　高知・かるぽーと
5/21(土)　秋田市（予定）
5/22(日)　仙台市（予定）
5/28(土)　JAZZY SPORT SHIMOKITAZAWA
5/29(日)　甲府・やまなしプラザ

映画「選挙フェス！」は、自主上映開催のご希望を随時募集中。
あなたの町で、あなたの「いつもの場所」で、「選挙フェス！」。