主催者にとってのフェス・・【アースガーデンの私の場合】[連載:感じるために生きている]

アースガーデンが主催しているイベントは、『もっと自由なオーガニックを』をテーマにした代々木公園で季節開催している “earthgarden”や、もうすぐ開催の山梨県の道志村でのNatural High!がある。ご存じの通りに、単純にイベントの制作オフィスという側面だけでなく、自然環境や社会、音楽やフェスを通して、そこに集う人びとの暮らしへの想いがあるし、特に主催については回ごとにテーマを決めて開催している。

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今だに10日前から眠りが浅くなる

フェスの準備は会場を押さえる1年前から始まっている。みなさんのなんとなくの想像でも、忙しくて煩雑・・そして、楽しそう!と、思われるだろうが、勝手に皆さんの頭の中を想像して言えば、多分、大変さと煩雑さは想像の倍々である。また、出来なきゃ寝ないでやらないといけないし、具体的に時間は当日に向けてどんどんと近づいてくる緊張感がある。

未だに私はほとんどのイベントの10日位前からだんだんと眠りが浅くなっていき、疲れているのにも関わらず、気遣いが及んでいない所が本当にないか?と気を張って寝不足になる。直前ともなれば、我が責任のような気持ちで、雨乞いならぬ、晴れ乞いまで、真剣にやりたくなる時も多い。それでも、始まってしまえば、あっという間に終わってしまうのがフェスだ。そんな訳で、この仕事を初めて25年の私なのに、今だに10日前には眠りが浅くなる。

慣れている事といえば、よく見ようとすること。あと、やれば終わるし、当日が来ると、あっという間にフェスは終わる・・という経験の数の分の実感だけだ。それが、どんなに大変でも、ウッカリをやらかしてもだ。時間は優しくて冷たい。

人は弱い、人はぶれる。だから仲間が必要だ。

イベント“earthgarden”は、最初はアースデイ東京のお手伝いから始まったのだが、春だけでは、イベントで各企画から発信されたメッセージが途切れてしまう気がした。それではもったいないと、<コミュニティフェス>として今の季節開催となった。

“earthgarden”は、ボランティアから、出店者、各企画担当者まで、みんなやりたい人たちの集まりであって、その自主性でもって、場として支えあい&支えていただいている都心のフェスだ。

人は、調子がいいときには、「こうありたいね〜」と、理想を胸に歩くのは簡単だ。でも、自分が損をする、また不安定な時に、急に志が弱々しくなる。そう・・人は弱いし、ぶれる。だから、“earthgarden”に定期的に集まり、価値観を再確認し、慣れ親しんだ人の輪の中で、良いときもダメな時も支え合っていくのだ。そういう、イベント的には表に出て来ないようなコミュニケーションが、運営側の中にもたくさんあって、その結果の一つとして、ボランティアさんのカップルがたくさん誕生するという、お目出度く心から嬉しい出会いに立ち会えることもある。

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そんな風に、嬉しいことも倍々になるのがフェスの素敵なところだ。また、“earthgarden”に行けば、久しぶりの仲間ともバッタリ出会える・・そんな風な来場者の声を聞くと、長くやっている身としては、本当にうれしくなる。

ご馳走は、お客さんの笑顔

結局は、私たちが満足感や喜びを感じるのは、お客さんの笑顔が会場のあちらこちらから溢れていることだ。それに出会いたくて、がんばっている。そして、こちらの伝えたい想いを胸に、私たちから新しい発信をしていくことで、お客さんの心に、新鮮な風を取り込んでいってもらいたい。

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“earthgarden”での、懐かしさや居心地の良さとは、固定されているものではなく、新しいものを取り込むからこそ、いつまでも胸に暖かいまま居られるのだと思うからだ。