『コロナ禍で、私にとってとても大切な場所だということを改めて実感しました』
スモールビジネスを支える市場、アーティストが表現活動をするステージ。新しい価値観と出会い、自分と出会い直す。アースガーデンは、人が行き交い、価値を交換し合う「フェス」という場作りを通じて、新しい時代をつくるための畑を耕してきました。
私たちがフェスを開催するのは、誰かのエゴや特定の人の自己実現のためではありません。出店者、アーティスト、参加者、主催者。それぞれがフェスを必要としていて、それぞれに役割と意思がある。そんなことを伝えたくてはじめたのが、連載「あなたにとってアースガーデンってなんですか？」です。
今回はボランティアのみのりさんに話を聞きました。最初は学生だったみのりさんは、もう立派なビジネスパーソン。仕事を始めてもなお、活動に参加してくれていて、もう8年もボランティアをしてくれているベテランさんです。みのりさんの言葉からは、アースガーデンに関わるたくさんの人がより良い体験ができるようにと、いろいろな気配りをしていることがわかります。
感染対策や人との接し方、ボランティアさんと一緒に実現を目指していたearth garden “冬”2021 は、先日、中止を発表しました。「悔しい」という言葉では言い足りないような、虚しさと理不尽さを感じています。とはいえ、今はやれることをやっていくしかない。「あなたにとってアースガーデンってなんですか？」と、考えながらぜひ読んでもらいたいです。
Q1.みのりさんとってアースガーデンとはどういう場所ですか？
・お客さんや出店者さん、スタッフ・ボランティアが一体となって作り上げられる温かい場所
・ヒト・モノ・コトに出会うことができる場所
・仲間や空間がいつでも迎え入れてくれる場所
・自分の存在価値を感じることができる場所
このコロナ禍で、私にとってとても大切な場所だということを改めて実感しました。
Q2.アースガーデンでのボランティアをはじめたきっかけを教えてください。
大学3年生の頃からで、約8年前です。こんなに長い歴という感じはしていなかったので改めてびっくりですが、社会人になった今でも参加しています。
当時就職活動を控えていて、イベント業界に興味があったことがきっかけでした。「人が集まる場所がどのように作られていくのかを知りたい」という想いから、ボランティアとしてイベントを作り上げることが出来るアースガーデンをネットで見つけ、参加を決めました。
それまでは、アースガーデンの存在を知らなかったですし、言ってしまえば代々木公園に足を踏み入れたこともなく、ボランティア活動をしたこともありませんでした。今振り返ってみると、かなり勇気を出して第一歩を踏み込んだんだなと思います。
今は、商業施設の運営管理をするお仕事に就いています。施設全体の売上や店舗の従業員の働く環境を支えるといった裏方な業務ですが、業務幅が非常に広く働きがいがあります。
Q3.ボランティアの活動について教えてください。
私はインフォメーションチームのボランティア・コアスタッフです。
インフォメーションでは、迷子のお子さんの保護や拾得物の保管などをしているのですが、広い代々木公園内でお子さんとはぐれてしまったり、物を落としてしまった方が、不安いっぱいの表情でいらっしゃいます。解決時には自分の事のようにホッとしますし、お子さんの安堵が故の泣き顔を見ると時々もらい泣きをしそうになり、毎回印象的です。
Q4.昨年のearth garden”秋”にも、ボランティアとして参加されましたが、いかがでしたか？
正直はじめはとても不安でした。
もちろん自分自身が感染してしまわないかという事も含めて。不特定多数の人が集まる場所を作る立場として、感染者を出さないために、やらなければならない事や私たちができる事について、オフィススタッフの方とコアスタッフとでオンラインミーティングを通して何度も話し合いました。
結果、様々な視点を持って話した時間や内容は、不安を拭う事ができましたし、安心できるイベントづくりへも繋がったと思います。
また、アースガーデンが無事に当日を迎えることができて、いつもとは少し異なる形ではあったものの、出店者さんやアーティストの皆さんにご賛同の上参加いただき、個人的には久しぶりにボランティア仲間と会う事ができて、とても嬉しかったです。嬉しさが爆発していたと思います。
定期的に会って遊びに行ったりできていた状況が当たり前でなくなってしまって寂しかったんだなぁと感じました。
Q5. earth garden”冬”にボランティア参加にあたって、メッセージをお願いします。
（earth garden”冬”は開催中止ですが、みのりさんの気持ちを知ってほしくてそのまま載せることにしました）
私たちボランティアは、通常期であれば、お客さんが楽しい時間を過ごせるようなコンテンツを考えることが主ですが、今の私たちはどのようにしたらお客さんが安心してアースガーデンを楽しんでもらえるかという事を日々考え、感染対策に努めています。
今回も、安心・安全にかつ楽しく過ごしていただけるように準備を進めています。
マスクはしていますが、出店者やアーティストの方々、私たちボランティアも、笑顔を絶やさずに皆様をお迎えします。マスク越しの笑顔を交わし合いましょう。2021年のはじまりにぜひ遊びに来ていただけたら嬉しいなと思います。
earth garden “冬” 2021 開催中止のお知らせ
これまで「earth garden “冬”」の開催に向けてあらゆる可能性を模索してきましたが、開催中止のお知らせをしなくてはなりません。
緊急事態宣言発令を受け、代々木公園を管理する東京都東部公園緑地事務所より「期間中は、都立公園におけるイベントは原則中止又は延期とし、主催者に要請する」との連絡が来ました。その後も粘り強く調整してまいりましたが、断念せざるを得ないという結論となりました。
earth garden “冬”の開催発表にあたっては、そもそも開催するべきなのか、そうでないのか、社内でもさまざまな意見があり、開催自体を迷うこともありました。悩みつつたどり着いた開催決定から二ヶ月、開催が叶わず、本当に悔しい気持ちです。
ご出店やご出演に手をあげてくださったみなさん、開催を心待ちにしていた参加者のみなさんの存在は、とても嬉しく、心強く感じました。
スタッフ一同、御礼申し上げます。
