I AM THE WORLD.
天国があるとしたら、そこはどのくらい「天国」のような場所なんだろうか。地獄があるとしたら、そこはどれだけ「地獄」のような場所なのか。行ったことがある人なんていないのだから、確かめようもなく、きっとこれからも不確かなまま。
じゃあ、京都はどのくらい「京都」だろうか。清水寺の周りは確かに「京都」だし、竜安寺なんかも「京都」だ。鴨川沿いも「京都」だけど、京都は意外なほど南北に長くて日本海に面している京都もある。そこはあまり「京都」じゃなくて、住民の生活感があふれる一つ町だ。
今、僕らにとっての福島は「福島」になってしまった。それは時に「フクシマ」とも言われる。「沖縄」もそうだろうし「辺野古」もそうだ。「足尾」や「水俣」、「ヒロシマ」もある。
でも、そこから離れてみたい。僕は離れてみたい。「福島」や「フクシマ」よりも福島に未来を感じるから。イデオロギーに利用されているようなカギカッコを脱いで、その土地の良さを肌で感じたい。
自分の世界の「福島」を福島にするのは、その場所に行くのがいいと思う。旅をしたらいいと思う。想像から抜け出し、地に足をつけて、人と話し、感じて、自分の世界をつくっていく。
カギカッコから抜けだした時、何が見えるだろう。そこに見えるものを一緒に見たい。