「明けたかと 思ふ夜長の 月あかり」

一年でもっとも夜が長く感じられる時期に夏目漱石はこう詠んだそうです。漱石も、ほのかな月明かりの下、ゆったりと流れる時間を過ごしたのでしょうか。たまには夜更かし、読書、おしゃべり、片付け、縫い物、とりとめのない物思いにひたすら耽る、なんてのもいいですよね。さて、今回はそんな秋の夜長にも、お酒のあてにもぴったりな一品をご紹介します。

さつまいももちは北海道の郷土料理でもある、いももち、をヒントにして作ったレシピです。もちもちでやわらかなこのお料理、まるでイタリアのニョッキみたいだな、、なんて思って生まれたのがこの「ゴルゴンゾーラのさつまいももち」です。
さつまいももちは、奈良・吉野の本葛粉とサツマイモだけで、シンプルに作りました。葛粉は薬効を持ち、体を温め血行をよくするため、葛根湯や胃腸不良の時の民間治療薬として古くから利用されてきたそう。秋から冬へと季節が変わりつつあり、体調を崩しやすい今、ぜひ取り入れたい食材です。

ゴルゴンゾーラのさつまいももち

材料

さつまいももち
・さつまいも 250g
・本葛粉(片栗粉でも可) 30g
・塩 小さじ1/4
・メープルシロップまたは蜂蜜 大さじ1
・くるみ　10g

ゴルゴンゾーラソース
・牛乳　100ml
・生クリーム 50ml
・ゴルゴンゾーラ(ピカンテ) 50g
・粗挽き黒胡椒 適宜

作り方

1) さつまいもは皮を剥き輪切りにし、５分ほど水にさらしてアク抜きをする。
2) さつまいもの水を切り、さつまいもがやわらかくなるまで塩蒸しする。
3) 熱いうちに、マッシャーや麺棒、フードプロセッサーなどでさつまいもを細かく潰し、葛粉（かたまりであれば粉末状にしておく）と塩を加えて手で混ぜ合わせる。好みの大きさに丸めて、平らにする。
4) フライパンを熱してココナッツオイル少々あるいはバター(分量外)をひき、片面約4分づつ、表面がきつね色になりカリッとするまで、中火で焼く。
5) ゴルゴンゾーラソース：フライパンに牛乳、生クリーム、ゴルゴンゾーラを入れて中火にかけ、かき混ぜながらチーズを溶かす。軽く煮立ったら弱火にして、ふつふつ沸くくらいの状態を保ち、4)で焼いたさつまいももちを入れ、フライパンを揺すりながら和える。器に盛りつけ、黒こしょうをたっぷりと挽いたら完成！

＊ 塩蒸しの方法：少しの水とひとつまみの天然塩を加え、沸騰したら野菜を入れてふたをして弱火で蒸します。無水鍋であれば大さじ１程度、ふたのきっちりしまる鍋やフライパンであれば水を少々多めに入れて蒸してください。素材に火が通ったら、ふたを開けて、最後に水を飛ばすのがポイント！
＊ 3)で、水分が足らずまとまりにくければ、水あるいは牛乳などの水分を大さじ１を足して調整してください。
＊ さつまいももちは小さめに丸めれば、ソースによく絡みます。

また、さつまいももちはもちろんおやつにもぴったり。シンプルに蜂蜜やメープルシロップをかけたり、溶かしたバターに絡めたり。醤油大さじ１＋水大さじ１＋砂糖大さじ１を煮詰めてからめ、みたらし風にしても◎お子様のおやつに早変わりです。また、生地を捏ねて丸める作業はお子様と一緒にしても楽しいですね。

一年で一番長い秋の夜。

焼きたてのさつまいももちにアツアツのクリーミーなソースが絡んだこのお料理と、おいしいお酒を堪能してみてはいかがでしょう？

今日もいのちに感謝して。
いただきます。