あなたは、まぁまぁ運がいい。 [ 連載:感じるために生きている ]

改めて言うのもなんですが、みなさん、2015年も無事に生き残れましたね。

大人も30代にもなってくると、交通事故などの不慮の事故や、病気を患って亡くなる(高齢ではない)知人や友人がいても、おかしくないものです。

shuto expressway, shinjuku entrance, circa 1994

残念ながら、私にもいます。まさか、大学生で交通事故に巻き込まれて天国に行ってしまうなんて、中学時代、坊主頭で優しく笑う彼のことを、そんな風に見たことは当然ありませんでした。また、幼い我が子を残して病気で亡くなっていったお菓子作りが得意なママ友だって、子どもを残して死んでいくのが、どんなに辛かっただろうと思います。

中央線で朝通勤しているときの、車内に流れる人身事故のアナウンスに慣れてしまっている自分には、時折焦ってしまいます。悲しいことですが、その位に日常的なことになってしまっています。アナウンスが流れると同時に、携帯で時間を確認する人たちの、落ち着きはらった様子にも、「バーチャルじゃないよ?まさに今、誰かが苦しんでいるんだよ?」と、不安にもなります。 

高速道路で運転しながら聴く、ラジオから流れる、トラフィックインフォメーションの女性の声。
「トラックと乗用車の追突事故により、○○付近で、10kmほど渋滞。」
その淡々と読み上げられる情報が、渋滞などの道路状況などを知らせるのが目的である事は、頭では分かっているつもりですが、聴くたびに“それは分かったけれど、乗っていた人たちは大丈夫なの?”と、私はつい想いを巡らせてしまいます。

PhoTones Works #7414

例えば、高速道路での事故を減らすのを目的として、悲しいニュースとして、事故があった後日には必ず、ラジオで流すのはどうでしょう?

「高速道路での事故にあわれた方たちの〜追悼の時間〜です。昨日昼頃、○○県の○○付近で起こった、トラックによる乗用車への追突事故ですが、トラックの運転手は、腕を骨折しましたが、命に別状はありませんでした。乗用車にのっていた新生児と幼児を含む家族連れ4人は、重体のためすぐ病院へ搬送されましたが、3名は未だ意識不明、新生児の赤ちゃんは事故から数時間後、残念ながら、お亡くなりになりました。

今回の事故は、居眠り運転が原因。運転手のみなさん、このような悲しい事故が二度と起こらないよう、休憩をとりながら、安全運転を心がけましょう。明日は、この〜追悼の時間〜がないことを願っています。リスナーの皆さん、一緒に亡くなった赤ちゃんのご冥福と、ご家族の皆さまの無事をお祈りいたしましょう。・・・以上、〜追悼の時間〜でした。」

これを淡々とでなく、当たり前の悲しい気持ちで読み上げるのです。こんなせつないニュースだけのコーナー(いや、でも無事で不幸中の幸いだったことも伝えればいい)、人気が出ないのは百も承知ですが、もう少し人の顔が見えてくるような情報の出し方があっても、私はいいと思います。

心の安定のために、わざと人間が鈍感に出来ているのかもしれません。自然災害でも、自分だけはそんな目に遭わないような気になってしまうのが間違いなのと一緒で、私もあなたも、今日、、いや、今にも死んでしまう可能性で溢れています。例え健康であったとしても、死ぬ確率が0にはならないのが現実です。そして最終的には、100%の確率で死亡です。

 そういう可能性の中で、2015年を生き残れた私たちは、まぁまぁ運がいいと思います。ですから、年末年始、お参りなどで手を合わせる機会には、改めて心の中でお礼を伝える訳です。お願いばっかりじゃいけません(笑)。

(HFF) Tomei Highway

以前から不思議だな〜と思っていることがあります。亡くなった人は、もう二度と会えないからもったいない上に、自分の事はお見通しで、高尚な存在だから特別で、祈る対象として適当といった感覚。一方、生きている人は、会おうと思ったら会えるから、特別でもないような感じ方です。

でも、どうでしょう?目の前にいるその人は、あなたと同じで、今日亡くなるかもしれない可能性のある(もったいない、特別な)人です。ましてや、大切な人だけれども会わないだろう人などは、もう直接会わない・・という状態だけで言えば、亡くなっている人たちと一緒です。

せっかくですから、生きていて、聞ける耳があるうちに、日々の感謝など伝えてみてはどうでしょうか?それが年賀状でもあり、御年始の挨拶かもしれません。亡くなった人は、声でお返事はないけれど、生きている人なら、目の前であなたを応援してくれるかもしれません。たまに憎らしい事を言われるのは、直接話しが出来る醍醐味とでも、いたしましょうか?

・・・2016年も、みなさまが、引き続き、まぁまぁ運がいいままでありますように、お祈りしております。よい冬休みをお過ごしください。

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credit: Willian Menq via FindCC
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