息子が小学生だったとき、友だちのちょっとしたイタズラが原因で、後頭部を数針縫うケガを負ってしまったことがある。その後、ケガも痛みも落ち着いてきた2,3ヶ月ほどたった頃に、その友だちとご両親で、改めて自宅まで挨拶にいらっしゃった。
その時は、お互いに爽やかな挨拶をしたと思うのだが、帰宅されてから急に私は不安になった。これを機に、全てなかった事にされてしまうような気がして、翌朝メールにこう書いて送った。
「絶対に大丈夫!と、本当にはまだ思えていません。だから、私たちがもうこれで大丈夫だ!と思えるまで、忘れないでいて頂きたいです。そして、もし何か起こったら、また相談にのってください。」
私は、そのケガのことを、怒ってはいない。何しろ、息子自身がケガしたその時にも、「○○は悪気はなかったのだから、僕は怒ってないよ。」と言われているので、仕方ない事として最初っから腹をたてる理由など何もなかった。友だちにも、そして、ご両親にもとても気をつかってもらい、実際、同じ親として心労だったろうと安易に想像がつくし、その後数ヶ月多少生活に支障があった息子の送り迎えなど、忙しい私を心からサポートしてくださった。
でも!でもだ。。。ケガをしてまだ数か月、そのケガの影響で今後どんな影響が出ないとも限らない。もう何もないだろう・・と思う気持ちが大半だが、もしかして!という不安も残っていた。私にとって、この不安を伝えられる人は、この家族と学校の先生しかいないのだからと思って、素直にそうお伝えすることにしたのだ。担任の先生にも、学校で加入している保険で治療費の支払い手続きが終わったと連絡が来たときに、同じような事を言った。お陰様で、もう今は大丈夫だと思えている。
私は今でも、あのときの泣き叫ぶ息子の声や様子が何かの拍子で蘇って、わぁ!っと叫びたくなるような気持ちになるときがある。夢にでも出ない限り実際には叫ばないが、その位に、あの時、息子は恐くて痛くて、私は息子の叫び声を聞いて可哀想で震えて立ってられなかった。(そして、きっと息子の方はもうそこにはいない。苦笑)
・・・・こんな、こんな、些細な事故で、母親なんてのは、こんなものなのだ。息子には気の毒な言い方だが、男の子というのは、多かれ少なかれこういう事がある。そんな類の事でも、この不安なのだ。
「お願いだから、不安がまだ残る間は、この事故のことを忘れないでほしい。あなたたちの事として一緒に考えてほしい。」
この私の声は、東日本大震災での被害者の人たちの声とも重なる。。
あと少しで、3月11日だ。あれからもう5年が経つ。
私のこの息子のケガとは当然比べものにならない恐怖・不安・悲しみがあったのだし、今でも、わぁ!っと叫んでしまう人を想うと胸が痛くなる。また、一緒に考えてもらえなかったと感じた、感じている人たちがいる。それが一番せつない。
さて、3.11が近くなってきて、色々な催し物を耳にするが、私も2つ情報をご紹介したい。
311 未来へのつどい
Peace On Earth
日時:3月11日(金)、12日(土)
会場:日比谷公園噴水広場周辺
アースガーデンが事務局をしています。みなさんで追悼の想いを持ち寄り、また、今、東北の皆さんがどんな風にがんばっているのか、知っていただける場になればと、ボランティアさんたちもがんばっています。是非お越しください。
http://peaceonearth.jp/
映画『抱く(HUG)』
この映画は、私の好きな作品『ビューティフルアイランズ~気候変動 沈む島の記憶~』の海南友子監督のセルフドキュメンタリーです。環境問題や逆境に生きる人々に焦点を置いた作品を発表してきた私と同世代の方だが、次なる取材地に福島を選び、3.11直後に原発4キロ地点にまで肉薄して取材をしていたその矢先に妊娠していることに気づきます。これまでも不妊治療をしてきたというのに、そのタイミング。その妊娠発覚から、出産して命を授かるまでの物語です。試写会では、会場からすすり泣く声が聞こえてきて、胸がいっぱいになりました。
http://kanatomoko.jp/hug/index.html
私たちの日々の選択は、未来へと繋がっている。
これから先も、1年に1度は、5年前の3月11日からのことを思い出し、今も忘れないで!と願っている人たちの声や、がんばっている情報を知りたいと思う。
やさしさの輪がひろがり、繋がっていきますように。
[感じるために生きている] 連載記事
〜優しさを届けたい〜『シリアへの手紙』ギフトで、シリアの人たちにあなたのメッセージを届けませんか?http://www.earth-garden.jp/study/48439/
あなたは、まぁまぁ運がいい。
http://www.earth-garden.jp/goodlife/47802/
刑事ドラマの決めゼリフから考える”正義と悪”の子ども的見解
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アースガーデン、スタートしてから20年を迎えました。私と~地球の箱庭~
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オリーブ&ローリエの厳選オイルの石鹸は、スベスベでとろとろの泡立ち。愛され受け継がれる「アレッポの石鹸」
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日本の夏の『涼』を探そう
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“ふだん”の中にある、小さな季節の移り変わりを感じる一冊「七十二候の見つけかた」
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ディア・ミー [連載:感じるために生きている]
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