10才で丁稚奉公にはいった、父の人生
私には、昭和7年生まれ84才の父がいる。岐阜の田舎は瀬戸物で有名な盆地町で、父はそこで陶器の上絵付けの絵の具(釉薬/ゆうやく)の職人をしていた。釉薬を作るには、陶器と同じく寝ずの番で窯炊きをするのだが(電気窯になった今でも湿度など繊細な微調整のための番がいる)、窯炊きの日には夜中家に父がおらず、なんとなく不安な夜を過ごしたものだった。
父はあまり多くのこと・・苦労を語らないが、戦中10才の子どもの時に、家の事情で丁稚奉公として住み込みでその仕事に就いた。父の作る藍色の釉薬は評判で、惜しまれながら引退するまで、同じ仕事を続けた。父のその仕事は地味なものだったが、私は誇りに思っていたし、農業から大工仕事で水車小屋や自宅のお風呂も作った父を尊敬しているし、その職人の仕事で大学まで出してもらったのだから、感謝しかない。
その父は引退前から、「引退したら、どんな事をやろう?」とよく言っていた。不安にも希望にも聞こえるそれは、空に向かって言っているようだった。そして、旅の経験などが豊富で、自由な体験をしてきた私の連れ合いの事を、「すごいな〜。」とよく言った。父のその自由な人生に憧れる様子を見るにつけ、選択肢のなかった苦しい時代と事情の中で生きるしかなかった父の切なさを感じた。
先日友人がこんな事を言った。
「ネットビジネスが脚光を浴びる今の感じが好きになれない。何故かと言えば、何かを作りつづけている人がいてこそ、情報発信も出来るからだ。逆に言えば、その地道に物作りなどをして生きている人こそ立派だと思う。」
ネットビジネス云々はおいておいて、父はまさにそれだった。特に職人として脚光はあびないが、明るく自由奔放な母と子ども2人を育てあげ、指圧の勉強などもし、傍から見れば、一人の男として申し分のない人生だ。実際、選択肢のない環境の中で、父は鍛えられただろうし、苦労を乗りこえ、そして、誇りもあったはずだ。私はそんな父が大好きだ。
ただ、その父本人は、今の時代に生まれたら、何をしたかっただろう?とも思う。すでに父は引退したのだが、長生きして自由な時間を満喫してもらいたいと思う。
不安で選べなかった事もあった、私の人生
さて、この私の事だが、高校の時には小中学校の保健室の先生になりたかった。小さな頃から世話好きだった。周りから見れば歴然で笑われてしまうことなのだろうが、こういう事は他人と比較するのは意外と難しく、私は30代まではっきりとは自覚がなかった。
でも周りの大人はちゃんと分かっていて、大学の時、中学のときの担任の先生に、不登校の子の家庭教師を頼まれたり、大学の卒業時には、病院の婦長をしていた叔母から、当時まだ職業としてあまりなかったホスピスのカウンセラーにならないか?と言ってもらった。でも、両方若い私には恐すぎて、飛び込むことが出来なかった。そして、子どもを産んでからは、助産師にも憧れた。
振り返ってみたら、色々な事が不安だったために遠回りをしてきたとも言える(と言っても、一方でアースガーデンを始めた訳だが)。まず、高校で保健室の先生になりたかったときに、担任の先生が「田川は数学が得意じゃないから、諦めた方がいい。」と言ったのを真に受けるべきじゃなかった(実際、私と成績の変わらなかった子が、保健室の先生になったのを知っている)。そして、大学で心理学科を希望していたのに、偏差値の数ポイントの差で弱気になって、社会学を受験したこともそうだ。
結果だけ言えば、今までの人生の選択や生き様を後悔する余裕などなくやってきて、そういう私らしさは、日々の中、仕事の中にも、活かされていると思うし、具体的な動きも、どれもまだ未知数で赤ん坊のようなものだが形にしはじめている。ここに書かせてもらっている事も、その一つだ。実際には、どんな仕事でもその人らしさを発揮することは出来るのだから、そういった意味である型としての職業に捕らわれすぎなくても、それに関われる形は色々とある。
全くの希望通りでなくてもそれはそれで、必死に生き+ある一定の幸運に恵まれたなら、清々とした人生があり得るのだろう。ただ、臆することなく、ダメで元々と、ドーン!とその時々でぶつかって選択できていたら、もし失敗してもそれなりに、その道につながる何かを今の人生より短時間で見つけ出していただろうとは思う。所詮、どっちを選んでも、何の保障もないのが、人生だから、勇気をもって進みたいものだ。
自分の気持ちを大事にした、アースガーデンスタッフKくんの事
アースガーデンで、20代後半で最近パパになった若い男性スタッフがいる。高校卒業後、その勉強を活かして建築現場での監督という地道な仕事をしてきたのだが、音楽が好きでアースガーデンのイベント制作の仕事に飛び込んできた。安定した職種から、この目まぐるしく、そして決して待遇が良い訳でもないこの仕事に変わったことは、年長者として、また、ちょうどパパになる事が分かったタイミングだったので上の立場の者としても色々考えてしまったが、私が自分の事として彼の人生の選択を思う時には、共感するところが大きい。
大きな会社も小さな会社もいつ倒産するかも分からないこの時代だ。一流企業からの転職ならいいのだろうが、一方で心の病で社会生活が困難になる自殺も多いこの日本。彼の選択が賢いか?は、今後の彼や、私たち次第な所が大きいが、自分の大事なものを軸に選び、思い切って飛び込めば、苦労しても、そこから展開していく人生があるだろうと思うからだ。なにより、アースガーデンの仕事は自力がつく。
まとめ・・そして!
〜さて、読んでいただいた方の人生の参考になったかどうか?は分かりませんが、私の人生、20代から50代目の前の今まで「あっ!」という間でした。色々と悩むことも多いですが、人に恵まれ、日々精一杯生きてヤッタ!という意味では、人生悔い無しです。私らしく居させてもらえている、周りの人たちには心から感謝しているし、それに恥じないように、さらにアースガーデンでも自分らしさが活かせるように、しごとをしていきたいと思っています。
・・さて、そんな訳で具体的なお誘いです。
※イベントやアースガーデンに、どんな切り口からでも興味のある方、そして、ドーンと飛び込める勇気のある強者(もしくは、強者になりたい人)、一緒に働きましょう!自力をつけながら、一緒に苦楽を共にしてくれるスタッフ大募集は、こちらの記事にジャンプ!!!
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楽しみに、お待ちしております〜!
みなさんの人生に幸あれ〜!時に勇気を!
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