ぐらするーつの鈴木隆二さんが語る「フェアトレードチョコレートの挑戦」

毎日寒い日が続きますね。北風が強くて心折れそうな日には、甘くて、心温まるフェアトレードチョコレートを食べたくなります。今や、スーパーやコンビニにも並ぶフォアトレードチョコレートですが、たくさんの人の思いや情熱があるからこそ、私たちの手元に届きます。

今日はフェアトレードショップの「ぐらするーつ」鈴木 隆二さんによる『フェアトレードチョコレートの挑戦』をお届けします。

credit: The Pack via FindCC
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フェアトレードチョコレートの挑戦

チョコレートの原材料に使われるカカオの生産には多くの「児童労働」の存在があります。日本が輸入するカカオの8割は西アフリカのガーナ産。20万人以上の子ども達がカカオ農園で働くといわれるガーナ。僕らが口にするチョコレートには思いのほかビターな現実があります。フェアトレードのチョコレートを選択することは「児童労働に加担しない」という意思表示でもありますが、さらなる挑戦を続けているチョコレートのお話しをお届けします。

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チョコレートの旬な時期

さてこの季節、チョコレートを通してフェアトレードと出会う方が非常に多いです。バレンタイン前だからというのもありますが、フェアトレードのチョコレートが秋冬の季節限定商品というのもその理由の一つでしょう。

なぜ秋冬限定なのかというと、暑いと溶けてしまうから。暑ければ溶けるのは当たり前といえばその通りなのですが、一般的なチョコレートは夏場は融点の高い油脂を混ぜ、その時期の気温でも溶けないように加工をします。それを体内に取り入れると、高熱を出さない限り体の中で溶かすことができません。混ぜ物をしないフェアトレードのチョコレートには、農作物と同じく「旬」があるのです。

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フェアトレード×国産のチョコレート

さて、そんなフェアトレードのチョコレート、原材料のカカオと砂糖はアフリカ・中南米・アジアからヨーロッパに運ばれて製品化され、やっと日本にやってきます。なのでほとんどの原産国名がEU内。「ヨーロッパ産でフェアトレード?」と思う方も多いですが、フェアトレードの素材をチョコの本場できっちり製品化することにも合理性があります。

でもこれからの時代、輸送にかかるエネルギー消費やコストを考えると、原材料を日本に直接輸入し製造する方がスマートです。今期よりイオンではフェアトレードチョコレートの製造・販売が開始され、スーパーやコンビニにもたくさん並ぶようになりました。このチョコレート「日本初の国産フェアトレードチョコレート」と語られることが多いです。しかし名誉のために!オーガニック宅配のさんポラン広場さんのミルクチョコレートが本当は国産初です。

ドミニカ共和国のコナカド協同組合(ダゴバ『コナカド』!) のカカオと、日本の洗双糖と全脂粉乳を使用。日本で手に入らないものはフェアトレード、日本で生産可能なモノはポランがよしとするもの、「フェアトレード×国産のもの」というチャレンジを20年近く行ってきたポランにはやっぱり拍手です。またイオンのような大きな企業がオーガニックやフェアトレードの理念を学び、それを自身に取り入れていくことで世の中が変わる善い例になって欲しいです。

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フェアトレード×ローカリゼーション

そして原材料を生産している地域で、さらにチョコレートを製品化していく方が多くの仕事を現地で生み出します。スローウォーターカフェさん(http://www.slowwatercafe.com/)のエクアドル産のチョコレートシリーズは、生産活動を行う地域・ローカルをはげます「フェアトレード×ローカリゼーション」の先駆けです。

しかし、現地での製品化を推し進めていく上で、障壁となるのが輸入する際の関税。国際相場で価格が決まるカカオの輸入は無税だけど、製品化されたチョコレートの関税は10%(特恵に限る チョコ名産地スイスからの輸入関税は8%)。国内産業の保護が関税の意義というが「原材料は安価で輸入するが、製品化したものはいらないよ」というのも穿った見方ではありません。そしてその制度を支えているのは私たち自身でもあります。

バレンタインを目前に控えた今、フェアトレードのチョコレートが、私達に投げかけるチャレンジはまだまだ続きそう。もっと美味しく、感謝しながら食べられますように。

文責:ぐらするーつ 鈴木 隆二

あなたもわたしも幸せにする、アースガーデン的「チョコレート」の話
http://www.earth-garden.jp/feature/chocolate/