おひさしぶりです、のみなさまも、はじめまして、のみなさまも、こんにちは。
ひょっこり、日本に帰って来て、もうすぐ一年が経とうとしています。
イギリス、キューバ、モロッコ、スペイン、フランス、ペルー、ボリビア、チリ、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ブラジルを経て、帰国しました。
ロンドンでは、3日連続徹夜して泣きそうにながら論文を書いたり、はたまた、南米パタゴニアを自転車で走ったり、、本当に濃い2年を過ごしました。
振返ると、いつもその国のお料理や、食材が傍にありました(食べることしか考えてないともいう笑)。
ロンドンでは、なぜイギリス料理はおいしくないと言われるのか?を見出したり、アーティチョークやセロリアックといった西洋野菜、また、世界各国から集まる珍しいお野菜、手に入りやすいオーガニックフードに魅了されたり。
キューバでは、無農薬・無肥料のお野菜(彼らはオーガニック、と呼んでいません。それが当たり前だからなのです)の背景やストーリーにふかく、考えさせられたり。
ペルーでは、原産であるトマトやジャガイモ、カボチャの味に驚き、またキヌアやアマランサス、マカといったスーパーフードを生みだすに至ったその厳しい気候を肌で感じたり。
世界一の牛肉大国アルゼンチンでは、ガウチョ(牧童)の生活をかいま見ることで、ビタミン・ミネラルを補うためにマテ茶を飲むようになったことを理解したり。
”食を考えること”を通して、その国の生活や文化、歴史が浮かび上がってきたのです。そして、長い年月をかけて、その歴史を織りなしてきた大地、風、水に敬意と畏怖の念を感じずにはいられませんでした。
それは、日本に帰国した後も同じです。春夏秋冬を通して、日本の旬のお野菜を堪能できることは、この上ない悦びであり、それを日本版Banana Kitchenでみなさまと少しでも共有できればと思っています。
さて、早速ですが、今回は北海道・谷口農園さんの無農薬・無化学肥料のアスパラガスを使ったレシピをご紹介します。夏を迎える前に、春アスパラを楽しみ切っちゃいましょう!
谷口農園さんのアスパラは、北海道の自然の中でゆっくりと成長するので、香りが豊かで、味がしっかり濃いのが特徴です。立派で、つやのある姿から、大切に育てられたことが伝わってきます。(詳しくは「めぐちゃんのアスパラものがたり」をチェック!)
過去のBanana Kitchenでは、「春アスパラとキヌアホットサラダ」をご紹介しましたが、立派なアスパラを活かし、まるごとお皿に載せてみました。トーストの上に、アスパラとポーチドエッグを乗せただけで立派な一品になるのは、主役になるアスパラがあるから。
お皿いっぱいのその姿にウキウキとして、食べればその美味しさに笑顔がこぼれること間違いなし。甘味のあるアスパラガスだから、酸味のあるハード系パンがよく合います。
材料(2人分)
ライ麦パン:2枚(厚さ2cmのもの)
アスパラガス:6本
卵:2個
オリーブオイル:適宜
天然塩:少々
ブラックペッパー:少々
くし切りレモン:2つ
お手軽オランデーズソース
卵黄:1個分
レモン汁:大さじ1
お湯:大さじ1
無塩バター:40g(有塩バターでも可。その場合塩は入れない)
天然塩:適量
作り方
1. オランデーズソースを作る
卵黄、レモン汁、お湯、塩を入れ、ハンドブレンダ―あるいは泡だて器で攪拌する。さらに溶かしバターを少量ずつ入れ、もったりするまでよく混ぜる。
2. アスパラガスの下処理をする
アスパラガスは袴を取り、根元5cmくらいをピーラーで皮をむき、塩ひとつまみ(分量外)、むいた皮を入れた鍋で色よく茹で、冷水でしめて色止めする。
3. ポーチドエッグを作る・パンを焼く
深めの鍋に沸騰したお湯を作り、お酢(湯量の3%、分量外)を入れて沸騰したら弱火にする。お湯をグルグルとかき回して渦を作り、その渦の真ん中に小皿に割り入れた卵をそっと入れ、2~3分茹で、取り出す。茹でている間に、パンを香ばしく焼く。
4. お皿に焼いたパン、アスパラガス、上にポーチドエッグを乗せる。オランデーズソースをかけ、天然塩とブラックペッパーをふり、くし切りレモンを添える。
※根元の固い部分が気になるようであれば、切り落としてください
※アスパラガスをゆでる際は、むいた皮を一緒にゆでると風味が良くなります
我が家で一番大きいお皿でもはみ出てしまいそうな立派なアスパラガス。
食べてみると、みずみずしくって、しゃきしゃきと歯ざわりがとってもいい。すっきりとやさしいのに、しっかりとアスパラの味がします。甘さもあるから、酸味の効いたソースがとってもよく合います。
アスパラガスの冷製ポタージュ
続いては、アスパラガスの冷製ポタージュ。
ほんの少しの北海道産新じゃがと合わせてとろみをつけ、アスパラの風味が引き立つようにしました。生のアスパラリボンとチーズをトッピングし、食感と味に変化をつけています。
材料(2人分)
アスパラガス(2L以上) 6本
じゃがいも 小1個(約100g)
バター 大さじ1位(12g)
水 300cc
豆乳または牛乳 80cc
天然塩 適宜
トッピング用
アスパラガス 1本分
パルミジャーノレッジャーノあるいはペコリーノロマーノ お好みで
作り方
1. じゃがいもは薄めにスライスし、水にさらし、ザルにあげる。アスパラガスは袴を取り、半分位のところから皮をむき、2〜3cm幅に切る。
2. 鍋あるいはフライパンに1.のじゃがいもを入れ、塩をまんべんなくふり、少量の水(30~50cc)を入れて火にかけ、蓋をして4分ほど蒸し、最後に水気を飛ばす。
3. 2.の鍋にバターを入れ溶かし、2.のアスパラを入れ1分ほど炒め、300ccのお水を入れて沸騰させ、2.のむいたアスパラの皮を一緒に入れて、5分ほど煮る。
4. 3.の皮を取り除き、ブレンダ―で滑らかになるまで攪拌させ、豆乳(牛乳でも可)を加え混ぜ、塩で味を整える。
5. 粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やし、器に盛り、ピーラーでスライスしたアスパラガス、パルミジャーノ・レッジャーノをトッピングする。
※むいたアスパラの皮を一緒に入れて煮ると、ストックがなくても、アスパラガスの香りいっぱいの、豊かなスープになります。
※煮た皮はちょこっと塩を振って、バター風味のアスパラガスのパスタにして食べられちゃうのですが、これがまたふんわりとおいしい!(少量なので、作っている人の特権かも?!)
一口運ぶごとに、大切に育てられたんだなぁと伝わってくるアスパラガス。
本格的な夏の訪れの前に、今一度、とくべつなアスパラガスを堪能してみてはいかがでしょうか?
きょうもいのちに感謝して。
いただきます。
奥はる奈
大学で国際関係学を学ぶ一方で、南海地震の減災活動、新潟中越地震支援を行い、スマトラ島沖地震では防災教育事業局長としてスリランカへ足を運ぶ。在学中、メキシコ留学や、アジア・中南米を中心に約35ヶ国をバックパッカーとして歴訪。多国籍料理を独自で学び、自宅で作れる懐石料理から中東料理まで、レパートリーは15カ国に及ぶ。卒業後、危機管理コンサルタントを経て、2014年ロンドン大学院で危機管理を専攻。現在は企業のブランディングコンサルタント兼フードデザイナーとして活動中。
「地のものを、地の水で」「キューバが好き」「一番好きなのは和食」
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