代々木公園のブースで大きな織り機を発見したら、そこは、さをり織りを生み出した城みさをさんの孫、城達也さんが主宰する「手織工房じょうた」のワークショップブースだ。
感性を活かす自由なさをり織り
手織工房じょうた 城達也
城「さをり織りというのは、何をしてもいいのです。一般的な織りというのは糸を通す順番が決まっていて、それを間違えればキズモノ。売り物としての価値は無くなってしまう。
さをり織りはそれをもっと遊んでみようという織りです。人だからこそあって当然なミスを、面白いデザインとして認める。間違ってもいい、やりたいようにやればいい。その先にその人らしさが出てくるんです。枠を飛び越えて、自分自身の感性を活かす。自由にね。だからこそ、障がい者の方にも拡がっている織りなんです。」
城さんは「感力」という言葉を大切にする。知力は偏差値などで測ることが出来る、体力はオリンピックで評価される。でも、感力は、注目されない。感性の力がもっと評価されていいはず。
城「この工房には糸が3000本ほどありますし、ワークショップの時も相当な数を持って行きます。そこから選ぶって訳分からないと思うんです。でも、そのわからなさが良いんです。頭で考えてしまったら、それはもう知力ですから。分からないながらも、感性で選び取っていく自由さを楽しんで欲しいんです。」
さをり織りのもう一つの特徴は、残糸を使って織っていくこと。機械織りの工程で必ず発生する余りの糸。それを残糸と呼ぶ。そういった糸は使い道がなく、捨てるしかなかった。捨てるものを活かすエコな織りでもある。
手織工房じょうた
http://www.jota28.com/