今月の衣食住>>>住
今月のテクニック>>>ゆびリリヤン

オーストラリアに住んでいたころの、クーラーの利いた部屋でのんびり過ごしていたある日。シェアハウスの住人スティーブがウィンドーシャッターを下げた。

『ちょっと、暗いじゃん。上げてよ』とわたしがいうと、スティーブは『日差しで室内が暑くなるだろ』と言った。

“ちぇっ”と心で思いつつ、涼しいけど暗くなった部屋で、気持ちどんより過ごした。

オーストラリアから帰国して数年後、緑のカーテンに出逢った。

緑のカーテンとは、ゴーヤやあさがお等、つる性植物をネットに絡ませて、カーテン風に仕立てたもの。見た目の涼しさや自宅にいながら森気分が味わえるうえ、気温や室温を下げる効果もあるみたい。

あったよ、明るくて、涼しい部屋。
日差しと風もあって、気持よい空間。
なんてPEACEな取り組み。

だけど、もっとあったよ。
水を与えなくてもよくて、緑以外の色も愉しめて、育てるのではなく、作るカーテン。それが、ゆび編みの花カーテン。

さぁ、今月は、キッズでも、ご年配でも、初心者でもカンタンなゆび編みの登竜門、ゆびリリヤンで作る花カーテンを紹介します。

まずは、基本となるゆびリリヤンをマスターしましょ！

ゆびリリヤン

1：両手で糸を持ち、長い方の糸を交差させる

2：短い方の糸はつまんだまま、交差したところに親ゆびと人差しゆびを入れる

3：親ゆびと人差しゆびで長い方の糸をつまむ

4：3の糸を引いて、輪を作る

5：4の輪を、利き手と反対の親ゆび（ここでは左手）にかける

6：長い方の糸を、人差しゆびの後ろ→中ゆびの前→薬ゆびの後ろ→小ゆびの前と順番にかける

7：続いて、小ゆびの後ろ→薬ゆびの前→中ゆびの後ろ→人差しゆびの前と6と交互になるように糸をかける

8：7の糸を、左手の甲側にまわす

9：そのまま小ゆび側を通って糸を左手のひら側に渡し、人差しゆびと親ゆびの間に置く

10：9の糸を、親ゆびの根元ではさむ

ここまでが、ゆびリリヤンの基本となる糸のかけかた。
さぁ、編み編みしますよ。

11：手のひらに渡っている糸の下に右手の人差ゆびと親ゆびをくぐらせて、小ゆびにかかっている糸をつまむ

12：つまんだ糸を、少しだけ手前に引く

13：小ゆびを曲げて、引いた糸をかける

14：続いて、薬ゆび→中ゆび→人差しゆびも同様に、11～13を繰り返す

人差しゆびまでかけ終わった図。これを一段目と数えます。

15：11～14を、指定の長さまたは指定の段目まで編む

＊ゆびリリヤンポイント1＊
糸を手の甲側から手の平側に回すとき、編み地の下に糸を通すのではなく、編み地の上に通します。

＊ゆびリリヤンポイント2＊
編み具合は人それぞれですが、ゆびが痛いと感じない程度に、なるべく細かく編んでみましょ。

16：指定の長さまで編み終えたら糸を20cmほど残して切り、閉じます。

糸を手の甲側に回し、小ゆびにかかっている糸の上から通す。

17：続いて、薬ゆび→中ゆび→人差しゆびの順に糸を通していく

18：4本ゆびに通した糸をつまみながら、ゆびにかかっていた糸をゆびから外し、糸を引く

ふぅ。でもまだ終わりじゃありませんよ。
次は編み始めのほうも閉じないといけません。

ここはちょっと難しいです。mamayunoも
初めて見たゆび編みの本で、ここの部分に苦労しました。

19：親ゆびにかけていた輪の糸を引き、一本に戻す

20：糸をゆっくり引き、しぼられているところを探す

21：しぼられている結び目をほどく

22：ほどいた糸を、しぼられていた編み目に通す

23：糸を引いて閉じる

24：リリヤンを2～3回縦横に伸ばして、編み地を整える

どうでしょ？ 自分のゆびを道具にして、上手に編めましたか？
さぁ、ではこのリリヤンを、今日は花に変身させちゃいましょ♪

花カーテンレシピ

（所要時間　約1時間／編み上がりサイズ約65cm）
・お好みの糸　9m×3本
・お好みのくるみボタン 3個
・くさり編みした吊るし用糸　65m
・糸用の針 1本（なくてもOK）
・ハサミ

※今回のレシピは“ゆびあみのいえ”のキッチン窓用の花カーテンに合わせたサイズです。お好みの花の個数、長さにしてください。

※糸の素材、編み具合、デザインによってできあがりサイズが変わってきます。材料の長さ、編み上がりサイズは目安と考えてください。

1：9mの糸で、ゆびリリヤンハウツーの1～24をし、35段編む

（サイズ約3cm×35cm）

段目がズレると不格好な花になるので、きちんと35段あるか数えましょう。雫のような形を一段目と数えますよ。

2：リリヤンを縦において、糸用の針に一方の糸を通す

3：リリヤンの端の編み目から7段目を数える

ここではわかりやすいように、通す糸の色をピンクに変えています

4：7段目の糸を針で一本ずつ、計3本すくう

5：3、4を繰り返し、計5回交互に糸を通す

6：花びらを寄せるようにゆっくり糸を引く

7：通した糸をもう片方の糸と固結びする

8：花びらの形を整える

9：つぼみに、お好みのくるみボタンをつけて完成

※つぼみは、ボタンやウッドビーズなんかでもOK

10：同様に、花をお好みの個数編む（ここでは3個）

11：くさり編みをした吊るし用糸に花をつけていく

ジャ～ン！
ゆびリリヤンの花カーテン1本の完成です♪

お好みの本数を編んだら、
お部屋はもちろん、台所やトイレの小窓に、テントサイトに｡｡｡
風でそよそよゆれる花カーテン。

フェスのmamayunoブースでは、
緑と黄色の花カーテンが大活躍！

ゆびリリヤン花カーテンアレンジ

今回紹介したのはいくつもの花を連ねたカーテンですが、
ヒモやゴムを通してヘアアクセにしたり、
金具をつけてバッグや服のアクセントにも使えます。

さぁ、編みましょ、伝えましょ、続けましょ。