今月の衣食住>>>住
今月のテクニック>>>ゆびくさり編みと2本ゆびリリヤン

2011.3.11。
東日本大震災の発生から、今年で5年。

あの日あの時間、わたしは東京は九段下の地下鉄にいた。
『地下にいたほうが安全です』というアナウンスが流れ、
訳もわからぬまま地上に出られたのは、発生から1時間後。

訳もわからぬまま、とりあえず約束した学芸大学に
向かおうと渋谷まで歩き、着いたはいいが、
電車がいつ動くか未定だということで、たこやき休憩をし、
渋谷から当時住んでいた住吉まで歩いて帰った。

その日は着物を着ていて、自宅に着いたとき
爪が割れてしまっていたのか、足袋が血で染まっていた。

やっとテレビという液晶にありつけ、そこで見た
東北のツナミ映像に、コトの重大さを知ったのは23時。

3月14日、もともと用事があって福島へ帰省する切符を
買っていたわたしは、なぜか運行したバスで
その日、福島の実家に辿り着けた。

持参した、微々たる支援物資を手にしたとき、
父が涙を流したことを、今でも忘れない。

年配の父母には重かったろうに。井戸水をためた
バケツが何個もお風呂場にあった光景を、今でも忘れない。

避難所や仮設住宅でゆび編み教室を続けたのはそれから2～3年ほど。
今はもう福島のためになにもできていないけれど、
忘れないために、祈るために、
ゆびくさり編みでメッセージを贈ろうと想う。

まずは、基本となるゆびくさり編みから。
こちらは2015年7月で紹介した記事の、
ゆびくさり編みハウツー 1~11をご参考ください。
http://www.earth-garden.jp/shop-craft/44337/

さぁ、では想い想いのメッセージを編んでいきましょう。

文字編みレシピ

（所要時間　約1時間／編み上がりサイズ直径約50cm×30cm）
・好みの糸　約5m×4本
・布や紙
・ハサミ
・ボンド
・針
・自分のゆび

※糸の素材、編み具合によってできあがりサイズが変わってきます。
材料の長さ、編み上がりサイズは目安と考えてください。

※今月使用する糸は、アクリルのシンプル糸と、
パステルカラーの変わり種糸1種類、計2本をMIXします。

1：糸をMIXして、適当な長さのゆびくさり編みを作る

※今回は3本編みます

2：布に下書きした文字にボンドをつけ
ゆびくさり編みを添えながら貼りつけていく

※縫い糸でちくちく縫いつけてもOK

途中でゆびくさり編みの長さを調整したいときもOK！

3：切りたいところにハサミを入れて糸を切って、2つにわける

4：それぞれの糸を閉じる

mamayunoの伝えたいメッセージが完成です。

ちょっとさみしい部分に、PEACEも添えてみる。

文字編みアレンジ

どうでしょ？ 自分のゆびを道具にして、上手に編めましたか？
ゆびくさり編みの文字編みだけでなく、文字を縁取ってもOK。

Tシャツやてぬぐいに描いた屋号も、
ゆび編みでちょいリメイクに。

東北へ行ってなにもできないけれど、
このメッセージをSNSにアップしたり、
自宅に掲げることで、遠くからでも
忘れないことをやめないように。

さぁ、編みましょ、伝えましょ、祈りましょ。