ミートボールでおなじみの石井食品。実は20年以上「無添加調理」に取り組んでいることを知っていますか?ここ数回のearth gardenに出店してもらっていますが、志ある食へのこだわりを初めて知った来場者のみなさんは、ずいぶんと驚かれるようです。
今回の今年のearth garden“ 秋”の出店では“栗ごはん”や“栗のトライフル”など、秋の味覚を存分にお楽しみいただけるメニューをご紹介します
時代によって変化する家庭の悩みに耳を傾けてきた
石井食品を歴史に沿って紐解くと、時代によって変化する家庭の悩みに耳を傾けてきた姿勢が分かります。おいしいものを食べたい。でも、手間暇をかけるのは大変。ワガママだけど正直な、人々の声に応え続けてきました。
石井食品は、佃煮屋さんとして昭和20年にスタート。佃煮や煮豆をふっくらと美味しく煮込む技術を研究しつつ、それらを真空パックに詰めて保存性を高める技術も追求しました。手作りながらも、その当時の技術をつかって、おいしくて便利な食を提供してきたわけです。
時代は高度成長期へ。家電が家事の負担を減らしたように、石井食品も料理の負担を減らすべく、調理済みのミートボール・ハンバーグをパックに詰めて販売をはじめます。これが大ヒット!人口がどんどん増えていく社会のニーズにも応えるように、手作りの少数販売から、大量生産へと体制を変化させていきます。毎日のごはん、お弁当の調理の負担を減らすことで、たくさんの家庭を助けたことでしょう。
“無添加調理”という選択肢が日本の食を豊かにするはず
1997年には、製造過程においては食品添加物を使用しない“無添加調理”に方針を切り替えます。これからの時代、安心・安全な食という選択肢があることで、日本の食をより豊かにしたいという思いからでした。
しかし、創業当初からの看板商品である「栗きんとん」の栗は、非常に繊細な食材。すぐにシミができるし、皮を剥くのも大変。無添加調理の枠には入れることができず、割れを防ぐ“ミョウバン”や、天然の“着色料”などを使用し、栗の皮剥きも国外で行っていました。しかし栗本体の色、風味を味わっていただきたいという想いから、もう一度原点に戻り、食品添加物を使用しない栗きんとん作りに取り組みました。
今、広く流通している輸入物の栗は、一度脱色をかけたあと、着色料を使って色味を整えているそうです。無添加調理の国産の栗にシフトして間もないころは、苦労もたくさんありました。色が茶色くなったり、割れてしまったり、お客様から問い合わせをもらうことも…。そこから徐々にノウハウを蓄積し、今では百貨店のバイヤーから「おいしい!」と高評価をもらうまでになりました。
社員総出で栗の皮むき!
ここでは公開できない独自のノウハウもありますが、品質の大きな部分を占めているのは、地道な作業をバカ正直に(言葉が悪いですが)やること。収穫したらすぐに加工するため、農家から一番近い工場に急いで運びます。そして、社員総出で皮をむきます。役員も含め、本当に総出です。
石井食品の栗を見れば分かりますが、決してきらびやかな黄色ではありません。でも、これが本来の栗の色。調理過程もまるで給食室のように、スタッフが大きな鍋を手作業で混ぜながら煮込んでいきます。
そんな石井食品の栗ご飯は、手作り感あふれる家庭の味。実際、お年寄りからは「昔、家で作っていた栗ご飯だ!」支持されているそうです。過度に甘みを足さない、素朴な味。高度経済成長期に、人の手から離れた“手作り感”に、立ち戻ってきました。
earth garden“ 秋”の石井食品のブースでは、様々な地域の栗をつかった栗ご飯の「食べ比べ」ができます。しっかりと味わうと、栗の味も千差万別。
さらに、調味料は地場のものや、伝統的な調味料にこだわっているので、自分の出身地に近い栗ご飯を食べると「あぁ、子どもの頃、食べていた栗ご飯だ!」と、味がすんなりと自分自身に落とし込まれる人も多いとか。ぜひ、秋の味覚を味わって、深まる秋を堪能してください。
日本各地域の栗ごはん
茨城県笠間市の栗…日本一の収穫量を誇る栗産地
埼玉県日高市の栗…清流高麗川流域の豊かな自然が良質な栗を育みます
千葉県成田市の栗…低樹高栽培の改良型「成田版」と呼ぶ剪定方法で生育
京都府京丹波町の栗…いにしえより天皇への献上品として扱われた栗
岐阜県山県市の栗…利平栗発祥の地。自然豊かな大地の恵みを受けた栗
熊本県やまえ村の栗…赤土の肥沃な土壌と恵まれた地で育まれた栗
earth garden“ 秋” の石井食品ブースで販売する他、石井食品のオンラインショップ、 一部百貨店・高級スーパー などにて販売予定。
https://www.ishiifood.co.jp/