「チームを見ると、誰が選手で、誰がコーチかわからないでしょう。ダイバーシティのひとつの理想型がここにあると思うんです。最初は、当事者、つまりホームレスの方がいて、それを支えるボランティアという構図だったんですけど、それがごちゃまぜになってきた。性別も年齢も、バックグラウンドも関係なく、なんやかんやと集まってサッカーをやっている。言ってしまえば、今のプロサッカーって選手の売り買いみたいなところも多くて、商業化されたサッカーを見せられているけど、ここに本質的なサッカーがあるんですよ。」
クラウドファンディングに挑戦中!
https://moon-shot.org/projects/102
目標金額:¥1,000,000
2015年6月14日まで
サッカーの本質がここにある
ダイバーシティという言葉を聞いたことがあるでしょうか?お台場の某キャンペーンのことでもなければ、何かの都市のことでもありません。ダイバーシティ(diversity)は「多様性」を意味する英語。そのダイバーシティを冠につけた「ダイバーシティ・フットサルカップ」というフットサルの大会が、代々木公園に隣接するフットサルコートにて、earth garden “夏” 2015の開催日に開催されることが決まりました。
この大会が生まれるきっかけになったのは「ホームレスワールドカップ」というサッカーの世界大会。2003年から毎年開催されていて、世界各国から70チーム以上も参加するような、非常に大きな大会です。
今回話を聞いた、ダイバーシティ・フットサルカップを主催するビッグイシュー基金のスタッフ長谷川知広さんは、このホームレスワールドカップがきっかけで今の職につきました。
「ホームレスワールドカップに日本が出場したという報道をみて、ビッグイシューにコンタクトをとったのですが、その時は活動していなくて。じゃあ、ぼくがやりますということで、友達にコーチをお願いして、チームをもう一度作りました。そのときに一緒にやっていた人たちで『野武士ジャパン』という名前を考えました。」
『ホームレスサッカー』という言葉だけでは表現できないもの
その後、海外で試合をするということよりも、国内での認知度アップや、様々な人達との交流を活動のメインとし、月に二回、とてもアットホームでオープンなだれでも参加できる練習会を開いています。
「『ホームレスサッカー』という言葉だけでは表現できないものがあるんです。いろんな人が来て、元気な人もいれば、そうじゃない人もいて、僕自身も病気を持っているし、それでもそんな自分を受け入れてくれる場所があることは、本当に支えになっています。それが多様性です。だからこの大会を開こうと決意したんです。」
今回の大会はホームレスの方だけでなく様々な背景を持つ当事者(うつ病、LGBT、若年無業者、不登校経験者、被災地の若者など)がチームを作り参加します。特筆すべきは、決して当事者だけのチームではないということです。当事者もボランティアもスタッフも、一緒に一つのチームを作ります。
「私たちの周りを見ても、サッカーがなければ出会えなかった人ばかりです。コーチは、鹿島アントラーズのユースでも教えている人だったり、学生の頃から通い続けてくれている社会人だったり、金融マンだったり、本当にいろんな人がいます。過去にはウェブを見て来てくれた和歌山の中学生もいました。お小遣いをためて、夜行バスに乗ってきてくれたそうで、高校生になっても来てくれています。」
サッカーが生んだ変化
冒頭の言葉は、ビッグイシューが率いる野武士ジャパンの蛭間芳監督の言葉です。こうやって、支援する側・される側の関係性から抜け出た、ネクストステージな社会。サッカーを通じて見ることができるダイバーシティな世界は、きっと楽しいはず。そんな実感をもてる日になるのではないでしょうか?そんな大会実現のために、クラウドファンディングで運営資金を募っています。
「日本では、ホームレスやうつ病の方へのサポートは、仕事や住居がメインです。それはもちろん重要ですが、友達ができるとか、健康のために身体を動かすとか、そういうことが次のステップに進むために大切だと思うんです。サッカーはただ遊んでるだけじゃない。でも、まだ意味付けがされていないんですね。私が実際に、ホー ムレスの人たちが、サッカーを通じて変化するのを見てきたので。そういうことを知ってもらって、いろんな人に応援してもらえたらいいなと思います。」
クラウドファンディングに挑戦中!
https://moon-shot.org/projects/102
目標金額:¥1,000,000
2015年6月14日まで
ダイバーシティ・フットサルカップ
日付:2015年7月4日(土)
時間:9:00〜13:00
場所:東京都 国立代々木競技場フットサルコート
※earth garden “夏” の会場に隣接しています。
参加者数:12チーム(200名ほど)
*現在参加予定の参加チーム(背景別)
路上生活経験者、若年無業者、ひきこもり経験者、うつ病経験者、養護施設出身者、被災地の若者、LGBT当事者、不登校経験者、ニート状態の人など
http://www.bigissue.or.jp/