沖縄とジュゴンと私~沖縄の青い海で考える。安保法案に揺れる国会。その報道を横目で見ながら、沖縄の海で環境問題を考えた

YWCAは、平和な社会の実現のために、さまざまな取り組みを行っています。今回はその中から、名古屋YWCAの沖縄スタディーツアーに参加したメンバーが、新米軍基地の建設が進む辺野古で環境について考えたことを紹介します。

s1200_写真1

3日間のスタディーツアーでは辺野古や高江を訪問し、現地の大学生を始め、多くの方々と交流しました。

まず船で沖に出てみました。辺野古の海は新基地建設工事に邪魔が入らないようフロート(浮具)で仕切られ、工事が進められていました。海は今までに見たことのないくらい本当に綺麗で、小さな魚やサンゴも見えました。でもすでに自然破壊が始まっています。浮具などの固定のために海に沈められたコンクリートブロックのせいで、サンゴが破壊されています。

s1200_写真2

沖縄は「絶滅危惧種」ジュゴンの生息地として知られています。なかでも辺野古はジュゴンの貴重な餌場であり、生物学者の調査でもジュゴンが食べた跡がたくさん見つかっています。辺野古の海は、透き通った海水、潮の流れ、海水温などの条件がそろっていて、餌となる海藻が自生しているのです。岸から数kmの範囲であっても、埋め立てを行えばそうした条件が大きく崩れ、自然の生態系は壊されてしまいます。基地建設で環境が破壊されることは大きな問題だと思います。

s1200_写真3

沖縄の学生との交流では、彼らの息遣いから、基地のことやウチナーグチ(沖縄の言葉)のことなど、本土に住む私が知っていたことも知らなかったことも、一層リアルに感じました。高江では沖縄戦を経験した90才のおばあさんにお目にかかりました。いろいろなお話を伺いながら、おばあさんの手作りゼリーを頂きました。シソの爽やかな味の美味しいゼリーでした。会った方々が、それぞれ語ってくださった「本土の人に伝えてください」「また来てください」という言葉は、私の心に深くしみました。

s1200_写真4

私たちは、生態系の尊重し保全することも平和を実現することだと考え、沖縄に『生きものを殺さないで!』という言葉を残してきました。

ジュゴンの暮らす沖縄の海を訪れたことは、抽象的なものと思いがちな「平和」について考えるきっかけになりました。

YWCAのサポーターになってください!

YWCAでは、平和について考えるスタディーツアーのほか、東日本大震災被災者支援や国際社会で活躍できる人を育てる人材育成事業などを行っています。ぜひサポーターになって活動を支えてください!
http://kessai.canpan.info/org/ywcaofjapan/sustain/101039/

YWCAとは

YWCA (Young Women’s Christian Association) は、世界事務局をジュネーブにおく国際NGOで、国連の諮問機関です。1855年に英国で始まり、現在世界120あまりの国で、約2500万人の女性たちが活動しています。日本においては1905年の設立以来、100年以上にわたって、女性の社会参画を進め、人権や健康や環境が守られる平和な世界を実現するために、さまざまな社会貢献活動を展開しています。
http://www.ywca.or.jp/home.html