私たちの食事に素敵なエッセンスを加えるオリーブオイル。パンやサラダ、パスタなどの定番メニューから、冷奴や焼き魚などの和食にも合う、ヘルシーでビューティーな万能オイルです。オリーブの原産地はイタリア、スペイン、ギリシャ、トルコなど地中海地方の国々と言われていますが、パレスチナにも樹齢数百年と言われる大木が多く存在しています。
オリーブの木はパレスチナの人々にとって生計の手段であり、かつ貴重な栄養源。貧しい土壌でも実をつけ、800年から1000年生き続けるオリーブの木は、パレスチナの人々にとって繁栄と幸福のシンボルとして、大切に、大切に育てられてきました。
しかし、1967年にイスラエルによるパレスチナの占領が始まって以来、オリーブの収穫は厳しく制限され、多くの農民は自身の畑に近づくことすらままならない状況にあります。さらに近年では、オリーブ畑が強制的に接収され、2000年以降100万本以上の木々が破壊されてしまいました。そのため、農家は収入源や土地・家を失い、特に女性や子どもが不安定な生活を送ることを余儀なくされています。
パレスチナとは、ヨルダン川より西の現在のイスラエルとパレスチナ自治区(ヨルダン川西岸地区・ガザ地区)のこと。
19世紀の終わり頃からパレスチナ占領を始めたイスラエル。2002年、ヨルダン河西岸地区の境界線とその内部に、幾重にもフェンスを設ける分離壁の工事をスタートしました。この分離壁により、多くの世帯が農地から隔絶されました。それにより、製造業や農業などの産業が止まり、パレスチナの人々は深刻な食糧不足・停電・断水・医薬品不足に見舞われます。さらに、止むことのない紛争で、現在も土地や生命が奪われ続けています。
2015年以降にイスラエル軍に殺害されたパレスチナ人は225人。2016年初頭から拘留されたパレスチナ人の子どもの数は、1000人を超えました。イスラエルによる入植地の拡大は、今も続いています。
分離壁や、壁の外側へ出るためのチェックポイント(軍事検問所)があるために、厳しく移動が制限されたパレスチナの人々。現地NGO「パレスチナYWCA」は、そんな環境下における女性の自立を応援するための職業訓練や、子どもたちが安全と安心の中で子どもらしく過ごせるように保育所運営などを実施しています。
私たち国際NGO「日本YWCA」は、パレスチナYWCAと東エルサレムYMCAと共に、オリーブ植樹を応援してきました。世界中の人々がオリーブの植樹をすることで、国際的な監視の目を注ぎ、蔓延する暴力を抑止するためです。
イスラエルのパレスチナ占領が始まってから今年で49年目。占領下で起こり続けている人権侵害の数々は、パレスチナの人々から多くを奪い、代わりにその土地と人々の心に深い傷を残し続けています。
1977年、国連はパレスチナ問題を国際社会全体で取り組んでいこうと、11月29日を「パレスチナの人々と連帯する国際デー(International Day of Solidarity with the Palestinian People)」として定めました。この機会に、パレスチナの人々に思いを寄せ、パレスチナへの連帯・平和構築のアクションとして、「オリーブの木キャンペーン募金」に参加してみませんか?
「オリーブの木キャンペーン」を
もっと知りたい、募金してみたい方はこちら
http://www.ywca.or.jp/whatwedo/palestina/olive.html
YWCAとは
YWCA(Young Women’s Christian Association)は、世界事務局をジュネーブにおく国際NGOで、国連の諮問機関です。1855年に英国で始まり、現在世界120あまりの国で、約2500万人の女性たちが活動しています。日本においては1905年の設立以来、100年以上にわたって、女性の社会参画を進め、人権や健康や環境が守られる平和な世界を実現するために、さまざまな社会貢献活動を展開しています。
http://www.ywca.or.jp/
参考
http://www.ywca.or.jp/whatwedo/palestina/
http://www.ywca.or.jp/news/2016/1206news.html