世界120ヶ国で、約2,500万人の女性が活動している国際NGO、YWCA(Young Women’s Christian Association)。今から162年前、産業革命時に1855年イギリスで誕生し、日本でも今から112年前の1905年に設立。現在全国24の地域YWCAと36の中高YWCAで活動している。日本では2番目に古い女性団体。
こんな風に、YWCAのことを説明すると、私の友人たちは「何やら、めちゃくちゃ大きな規模で、ものすごく長い間活動を続けてきた、老舗NGOなんだね」といった反応をします。
ただ、「どんな活動をしているの?」と聞かれると、ちょっと答えに困る。環境、子ども、教育、核、憲法、基地、ジェンダー、などなど、全国、いや全世界で、本当にさまざまな活動を展開しているから。
でも、世界中あらゆる場所で行われているYWCAのアクティビティには共通点があって、それはピースフルで、インクルーシブな社会をつくるために、女性たちをエンパワーすること。いつの時代も、至るところで、女性たちは暴力や貧困に晒され、弱くされてきた。でも、だからこそ、社会を変革していくチカラがあると、私たちは考えています。(同じ志を持つ男性の参加も歓迎ですよ。)
日本YWCAは、現在以下のプログラムの参加者・実行委員を募集しています。愛に満ちた社会って、そのまま放っておいたらいつの間にか出来ていた、ってことはないから。だから、私たちと一緒にアクション!
多世代・多文化な参加者と平和について考える
「ひろしまを考える旅」
参加者募集
1971年より始まり、現在も毎年開催しているこの旅。英語では”Pilgrimage to Hiroshima”、つまり「ひろしま巡礼の旅」と訳されるが、それはひろしまが平和を考え、求めていく上で、それだけ重要な意味を持っていることを示している。被爆証言、フィールドワーク、碑めぐり、交流会、ワークショップ等々、イベントフルな2泊3日間(オプションプログラムを含めて3泊4日)。
参加者構成が多様なことも、このプログラムでの学びを、より深く、多角的にしている。下は中学生から、上は70代まで。また、中国・韓国の参加者と、国内の留学生も参加し、多世代・多文化な参加者が、「あの日」を追体験するために、真夏のひろしまに集い、共に平和って何かを考える。被爆者の方から直接お話を聞ける機会は、もう限られている。戦後72年目の今も終わらない、終わりじゃない「ひろしま」を、是非感じに来てください。
日程
2017年8月9日(水)~11日(金)
※オプションプログラム参加の場合は8月12日(土)まで
会場・宿泊
広島市文化交流会館
参加費
一般
2泊3日 30,000円/オプション参加3泊4日 40,000円
*広島県在住で宿泊不要の場合 2泊3日 20,000円
大学生・大学院生
2泊3日 25,000円 / オプション参加3泊4日 36,000円
*広島県在住で宿泊不要の場合 2泊3日 15,000円
中学・高校生
2泊3日 22,000円 / オプション参加3泊4日 32,000円
*広島県在住で宿泊不要の方の場合 2泊3日 11,000円
※宿泊費・食費・フィールドワークにかかる交通費・保険料を含む
過去の参加者より
パク・ナムスさんという方のお話を、少しだけさせてください。彼女は在日韓国人2世として広島に暮らし、12歳の時に原爆が落とされました。その時電車に乗っていた彼女は、爆風で割れたガラスで頭から血を流しながら、なんとか別の場所で被爆した家族のもとへたどりつくことができました。
ぺちゃんこになってしまった広島の街、「水をくれー」と言って死んでいった人たち、家族の帰りを待てども待てども会うことはかなわなかった人びとを目の当たりにして、しかし、彼女は生き残りました。結婚し、子どもを産み、夫を亡くし、広島市内の平和公園で座っていたその時まで、彼女は戦争で死んでいった人たちのことを思い、自分が生き残ってしまったことを恥ずかしいと思い続けていたのです。
平和公園のアオギリの下で、たまたま出会った修学旅行生に頼まれて被爆証言をして、そしてその学生たちから「証言の内容を伝えたら、お母さんたちが皆”戦争は嫌だ”と涙した」という手紙を受け取った時、彼女は、生きて自分の経験を、思いを、伝えなければならないと思うようになったのです。
私はパクさんに、「生きていてくれてありがとう」と伝えたいと思います。そして、今、生きている私にも、あなたにも、「生きていてくれてありがとう」と。生きている限り、辛く、苦しく、見たくないものを見なければならないことはきっとあるでしょう。それでも、そしてだからこそ、生きているということは尊いのではないでしょうか。生きていてくれて、ありがとう。(社会人20代)
平和な東アジアをつくるユースのためのプログラム
「日韓ユース・カンファレンス」
実行委員募集
現代の日韓関係の中で展開される「日韓ユース・カンファレンス」の目的は、東アジアの平和構築。毎年テーマには環境・持続可能な開発・原発など、日韓両国に共通するホットな課題を取り上げている。プログラムの企画・運営の中心を担うのは、30歳以下のユース。ユースのクリエイティブなアイデアを持ってつくられる本プログラムは、多くの学びと発見、と同時に出会いに溢れている。
2017年度のテーマは「私たちの生きづらさを考える~社会的承認と貧困~」。価値の単一化が進む中で、周りとのズレやプレッシャーを感じて「生きづらいな」と思ったことがある方は、少なくないだろう。また、労働のあり方が変化するに伴い、「子どもの貧困」や「若者の貧困」という言葉も一般的に耳にするようになった。このような現象は日本だけでなく、韓国でも顕著なこと。私たちが「生きづらいな」と感じる日々のモヤモヤについて、韓国のユースと共に考えてみませんか?このテーマに関心のある18~30歳までの方、是非一緒にプログラムをつくりましょう。
日程
2018年2月23日(金)~26日(月)
開催地
大阪
テーマ
「私たちの生きづらさを考える ~社会的承認と貧困~」
参加費
3万円(プログラム中の宿泊費・食費・開催地までの交通費などを含む)
過去の実行委員より
(2014年度・テーマ「まだ原発やってるの?原発が抱える矛盾」時参加)
大きなショックを受けました。それは、69年前に原爆が投下された時の惨状を知ったからではありません。山口県の祝島では島民が32年間にもわたって上関原発建設計画に反対し続けている、ということを知ったからでもありません。
日韓ユース・カンファレンスでは2011年の福島第一原発事故以来、3年連続で核問題、ことに原発の抱える問題をテーマとして扱ってきました。今年もまた、「まだ原発やってるの?~原発が抱える矛盾~」と題して原発と(開催地が広島ということで)原爆について学び、韓国のユースと共に話し合ってきました。フィールドワークで新たに知ったことや、ディスカッション中に初めて耳にした意見もあり、それらはとてもよい刺激となりました。ですが、それはあくまでも部分的でしかありませんでした。見聞きしたことのほとんどを、私は情報として知っていたのです。
今回何よりもショックだったのは、私は多くのことを知りながら、それらを「知っている」だけの状態で受け流していたことに気づいてしまったことでした。このことに気づいてしまったとき、これこそ原発を必要とする社会構造、すなわちエネルギーの大量消費、大量廃棄とまったく同じことではないか、と嫌な汗が背中を伝いました。
インターネットの普及により、何でも簡単に調べることができ、またはSNSを利用することで気軽に個人の考えや思いを主張することができるようになりました。その結果、私たちは意識する間もなく、日常的に膨大な情報に晒されるようになりました。
参加者の皆さんはこのカンファレンスで得たことを、今この文章を読んで下さっている方はこの内容を、たとえ既に知っていると思ったことであったとしても、消費の彼方に追いやらないでいただきたいと思います。そしてできれば、何かを買うときや食べるとき、無造作に手に取るのではなく、「これらはどこから、どんなルートで、どんな人が関わってここにあるのだろう」とほんの少し考えてみてください。それこそがこの消費社会を変える第一歩ではないでしょうか。(大学4年生)
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